まちづくりは「つながりやワクワク感」からはじまる

まちづくりは「つながりやワクワク感」からはじまる

「いいまち」ってどんなまち?

人口減少社会に入った日本は、地方に行けば行くほど「地域社会の維持」が難しくなっている現状があります。しかし人口が少なくても、幸せそうな「いいまち」は存在します。さて、そんな「いいまち」をつくるには、どうすればいいのでしょうか。魅力的な仕事や遊ぶ場所、それとも……。地域づくりの研究では、家でもない職場でもない、居心地のいい「第3の場所」や、共通のテーマについて各自ができることを一緒に実践できるようなコミュニティが多く存在すること、つまり豊かな「人の関係性」がまちづくりのポイントになると考えられています。

フリーコーヒーの屋台から広がる可能性

実践の1つに「フリーコーヒー」(無料でコーヒーをギフトする)があります。屋台に立つと、知っている人に振る舞うことはもちろん、今まで会ったことのない人にコーヒーを淹れ、飲んでいる間の会話から、いつの間にか仲良くなることができます。すると、誰もが告知を手伝い、差し入れなど、想定外のギフトが偶発的に生まれるようになります。このような空間がまちの至る所に増えればどうでしょうか? とてもいいまちですよね。こんな空間が広がってくると、まちの至るところで、新しい活性の種が自生的に育つのではないでしょうか。自分のやりたい、こんなサービスや会社があればいいなを実現していく起業家が増えていくと、まちはワクワクしてきます。

想定外のことが起こる仕掛け

これまでのまちづくりは、計画や目標を立て、そして実行することが多く、その結果は「想定内」となるように進められてきました。しかし、フリーコーヒーからもわかるように、地域で新たなことやコミュニティを生み出そうとする時に大切なのは「偶然の出会い」などの想定外のことから湧き上がる「ワクワク感」です。「次に何が起こるかわからない装置」を多くつくれば、ワクワクがつながりを生み、まち全体の関係も深まります。このように「今日より明日が楽しみなまち」をつくるための研究が進められています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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吉備国際大学 社会科学部 経営社会学科 講師 大西 正泰 先生

吉備国際大学 社会科学部 経営社会学科 講師 大西 正泰 先生

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経営学、教育学、社会学、行動経済学

先生が目指すSDGs

メッセージ

高校までの学びは、過去の天才たちが積み上げた「遺産」を習得することでしたね。大学では遺産を使って、未来をつくる学びになります。そのためには多面的な見方が必要です。例えば「日本社会は同調圧力が強い」とよく言われます。ネガティブに使われがちですが、同調圧力が役立つこともあります。例えば災害です。辛く自暴自棄になるような災害後でも暴動を起こさず、心を一つに同調して復興していけるのは大きなメリットです。あらゆる事象には長短のグラデーションがあり、そこに気づく面白さをぜひ感じてくださいね。

先生への質問

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吉備国際大学は、「学生一人ひとりの持つ能力を最大限に引き出し引き伸ばし、社会に有為な人材を育成する」という建学の理念の達成に向け、高梁、南あわじ志知および岡山の3つのキャンパスに6学部10学科を擁する総合大学です。本学は、人の心身の営みに関わる基本的な学問分野に重点を置き、学部学科それぞれが他大学にはない特色ある教育プログラムを実施し、豊かな人間性と実践的な知識と技術を備えグローバルに活躍できるスペシャリストの養成を目的としています。