ホスピタリティとは「利他の心」、他者への「愛」
ホスピタリティ産業とは
「ホスピタリティ」とは、一般的に「深い思いやり」「心からのおもてなし」という意味で使われています。ホテルなどの宿泊業や観光業、航空会社などの運輸業、テーマパーク、ブライダル業などがホスピタリティ産業と総称されています。主に人的接客サービスを提供するビジネス全体を指し、教育や医療、福祉の分野を含むこともあります。
しごとや経営に活かされるホスピタリティ
サービス化が進む経済社会では、企業間のサービス競争が激化し、いまやお客様満足を超えた「感動や驚き」が競争優位を左右する重要なファクターになっています。常にお客様の立場に立ち、お客様の期待を超える感動、驚きを提供しようとする精神やマインドこそが、ビジネスにおけるホスピタリティと言われるものです。
これは、お客様に対する接客サービスだけでなく、会社内の組織運営や人材管理にも活かされています。仲間を理解し尊重し、感謝し合う働きやすい職場づくりや部下を育てる上司のかかわりにホスピタリティが有効なのです。その発揮・向上に向けて、企業ではさまざまな仕掛けが検討され・実践されています。
「共生」社会で全ての人に必要なホスピタリティ
これからの社会では、異なる背景や価値観を持つ多様な人々と、共に暮らし、さまざまな活動を共にしていくことが必要です。そこでは相互に理解し、尊重し、違いを受け容れるマインドと他者を利する行動が求められます。これこそが本来のホスピタリティのあり方です。ホスピタリティとは他者への「愛」と言えるかもしれません。
ホスピタリティは、特定の産業だけでなく、さまざまな企業の顧客獲得戦略として必要とされています。さらに、私たちの日常生活でもホスピタリティは大切です。多様な人々が一緒に活動する共生社会では、それぞれに違いがあることを前提として、相互に尊重し合って生きていかなければなりません。ホスピタリティを理解し、ホスピタリティマインドを発揮した行動をとることは、多様化する共生社会を生きていく上で欠かせないものなのです。
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先生情報 / 大学情報
聖徳大学 文学部 文学科 教養デザイン 教授 菊地 克彦 先生
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