特別支援教育のホントウのところ

特別支援教育のホントウのところ

「特別」ではなくナチュラル・サポート

発達障がいなどが広く社会に認知されてきた影響もあり、大学で教職をめざす人の中には、特別支援教育に関心のある人が増えています。特別支援教育とは、障がいがある一部の子どもたちを対象にした特別な教育と思われがちですが、実際はそうではありません。特に発達障がいのある子どもについては、特別支援学校に通うよりも、小中学校の通常の学級で学んでいたり、通常の学級に在籍しながら、数時間だけ個別的な支援を受ける通級による指導を受けている子どもが多いのです。ですから、教育の現場すべてが“特別支援教育の場”と言っても決して言い過ぎではありません。
そして、特別支援教育の中心テーマは、「わかる授業」です。その意味で、すべての子ども、すべての人に共通する“ナチュラル・サポート”という側面があります。例えば、先生が自閉症の子どもに対して、授業のはじめに「今日はこれとこれを勉強します」と黒板に予定を書いたとします。そして、それはほかの子どもにとっても今から何を学ぶのかわかりやすく役立つ情報なのです。

あったかハートとクールな判断力が大切

特別支援教育に携わるには、幼稚園、あるいは小中学校、高等学校の教諭免許に加えて特別支援学校教諭の免許を取得する必要があります。そのためには、さまざまな専門知識や技術を学びますが、その前に、ぜひ身につけておきたいのが、感性の豊かさと向上心です。きれいなものを見て素直に感動できなければ、子どものちょっとした表情の変化にも反応できないし、小さな成長もともに喜べません。そして、障がいがある子どもたちの日々の成長など一人ひとりをしっかり見て、ニーズに応じた支援ができるよう、いつも「向上心」をもって取り組むことです。特別支援教育の現場では、子どもを大きな心で受け入れられる<ウォーム・ハート(あたたかい心)>と、子どものパニック症状や発作などにもあわてずに対応できる<クール・ヘッド(冷静な判断力)>の両方をもち合わせた先生が求められているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

大阪大谷大学 教育学部 教育学科 教授 小田 浩伸 先生

大阪大谷大学 教育学部 教育学科 教授 小田 浩伸 先生

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教育学

メッセージ

私は、特別支援学校教諭免許の取得をめざす学生を指導しながら、幼稚園や小学校などの特別支援巡回相談や教員研修を担当しています。学生には、週に1回「インターンシップ」として特別支援学校や特別支援学級に通って、先生のアシスト体験をしてもらっています。私が各学校に出向く際には、学生に同行してもらい子どもの行動観察や掲示物の見方を直接指導することもあります。教育者にとって本当に大切なことは教育現場にあるというのが私の持論。ですから、意欲的に学ぶ人には、いくらでも教育現場を体験する機会を提供したいと思います。

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タグライン「無関心じゃいられない私になる」を制定し、学生一人ひとりの興味・関心を促せるように、社会と連携した実習やフィールドワークなど、実践型のプログラムを数多く設けています。少人数制教育を徹底し、全ての教員が学生の意欲にしっかり応えます。納得いくまで質問し、議論を重ね、自分のめざす道を大阪大谷大学で発見しませんか。
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