スポーツ選手の動作を分析する

スポーツ選手の動作を分析する

バイオメカニクスってなに?

あなたはバイオメカニクスという学問分野を耳にしたことがありますか?
この言葉はバイオ(生体、生物)とメカニクス(工学、力学)が組み合わさった造語です。この分野で扱われる内容はスポーツ科学だけでなく医学や工学にも関わるため非常に幅広いのですが、ここではスポーツ科学におけるバイオメカニクスに絞って話をしていきます。

トップクラスのスポーツ選手の動作を分析する

スポーツ科学におけるバイオメカニクスとは、基本的にスポーツ選手の動作を工学的手法で分析することです。この分析を行うことで選手のパフォーマンスを改善していきます。例えば、プロサッカー選手の中村俊輔選手はものすごいカーブキックができます。そしてフィギュアスケートの浅田真央選手は3回転ジャンプを連続で行うことができます。あなたは自分にはできないのに、なぜあのようなトップクラスのスポーツ選手たちはできてしまうのだろうと疑問に思ったことはありませんか? そのような疑問にバイオメカニクスは答えてくれます。動作を分析すればコツがわかるようになります。そのコツを練習に取り入れることによって、初級者が上級者に近づくことができるのです。

スポーツの研究に理系の勉強は必要か?

あなたはスポーツの動作を研究するのに理系の勉強はいらないと思っていませんか? バイオメカニクスの研究をするには数学や物理の知識が必要になってきます。動作を解釈するには物理学の法則が基礎になってきます。また、動作を分析するときには映像を使用します。この映像を撮影するにはレンズなどの光学の知識が必要です。そして映像を処理するには情報処理の知識が必要になってきます。つまり、高校時代に勉強している数学や理科の内容が、スポーツ科学を学ぶときに役立つのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東京工業大学 大学院社会理工学研究科 人間行動システム専攻 准教授 丸山 剛生 先生

東京工業大学 大学院社会理工学研究科 人間行動システム専攻 准教授 丸山 剛生 先生

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スポーツ科学系

メッセージ

スポーツも科学的に研究されています。スポーツ科学は学際領域と言われており、幅広い分野の知識が必要になってきます。特に私の専門とするバイオメカニクス(生体力学)では、数学のベクトルや行列の知識が重要になってきます。高校時代の理系の勉強が、スポーツに結び付くイメージができにくいかもしれませんが、実際は密接に関係していることをわかってほしいです。最近「理系離れ」が叫ばれていますが、スポーツを切り口にすると興味をもってもらえるかもしれません。

東京工業大学に関心を持ったあなたは

東京工業大学は、1881年の創立以来理工系総合大学として時代を切り拓いてきました。2016年には、大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞するなど世界トップレベルの研究を行う大学として高い評価を受けています。現在、本学は日本初となる学部と大学院を統合した「学院」を設置するなど、大きな改革に取り組んでいます。学生が自らの興味に基づいて体系的に学べるカリキュラムを用意するとともに、全ての人がベストパフォーマンスを発揮できる教育・研究環境を実現して、よりよい未来の創造に貢献する人材を育てます。