筋電図とはなにか
人間には電気が流れている
あなたは人間の筋肉に電気が流れていることを知っていますか? 人間は無数の細胞からできています。そして細胞同士は情報を交換しあっています。その情報伝達の手段として細胞は電気を用いるのです。例えば学校の健康診断で心電図検査がありますが、これは心臓の細胞に流れる電気のやりとりを表現して病気の診断をしています。心臓以外にも電気の流れをあらわしたものがいくつかありますが、ここではスポーツ選手の動作の分析によく使用される筋肉の細胞に流れる電気(厳密には電圧)をあらわした筋電図に絞って話をしていきます。
筋肉に流れる電気を計る
筋電図には計測装置が必要です。細胞にはおよそ100mVという微弱な電気しか流れていません。そのためにこの電気を計るのは簡単ではありませんでしたが、近年の電気電子工学の技術により可能になってきました。また、もともと筋電図は医療のために発展してきたものですが、近年の技術の進歩により、スポーツ動作のような激しい動きでも筋電図が計れるようになったのです。
スポーツ動作の筋電図
人間はスポーツをするときに筋肉を収縮させて動きます。このとき脳からの指令によって筋肉に電気が流れています。感覚的にわかりにくい部分もあるので例をあげてみましょう。電器店にいくと低周波マッサージ器というものが売られています。これはマッサージ器から電気が流され、その電気が筋肉を収縮させることでマッサージ効果があるのです。この現象から筋肉は電気に反応することがわかるはずです。
スポーツをするときに筋電図を計ると、どの筋肉が活動しているのか、筋肉がどの程度の力を出しているのか、またそれぞれの筋肉がどのようなタイミングで活動しているのかが観察できます。同じ動作でも効率よく筋肉を使えているかが筋電図から理解できるのです。
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