サッカーを科学的にサポートする

サッカーを科学的にサポートする

プロサッカー選手に対する科学的サポート

あなたはプロのサッカー選手がスポーツ科学の研究者によってサポートされていることを知っていますか? 日本サッカー協会はほかの競技団体よりも積極的にスポーツ科学を取り入れようとしている団体です。例えば日本代表の合宿では毎回体力テストが実施されています。この体力テストの結果を収集していくことで選手のコンディションが把握できるようになるのです。体力テストの内容を決めたり、測定結果を活用するには多数のスポーツ科学の研究者が深く関わっているのです。

サッカーの指導者養成に対する貢献

日本サッカー協会は、スポーツ科学の知識を取り込んだサッカーの指導者養成にも力をいれていることで知られています。ここにもスポーツ科学の研究者が貢献しています。テレビなどで知っているかもしれませんが、サッカーの指導者資格にはD級、C級、B級、A級、S級という5段階のライセンスが設定されています。このライセンスを取得するには運動生理学、スポーツバイオメカニクス、スポーツ心理学などのスポーツ科学を勉強する必要があります。このような科目をライセンス取得のための研修で教育しているのが、スポーツ科学の研究者たちなのです。

サッカーをするのに勉強は必要ない?

もしかするとあなたはこれまでサッカーを含めたスポーツの指導者が、実技ばかり学んで勉強をする必要はないという印象をもっていたのではないでしょうか? サッカーの指導者に必要な運動生理学、スポーツバイオメカニクス、スポーツ心理学などの基礎は、生物学、化学、物理学、数学になります。つまり、高校時代の理系の科目が重要になってくるのです。残念ながら日本国内においてこの点はまだ理解が浅いようです。しかし、ヨーロッパでは理系の勉強をすることが常識になっています。ちなみに日本代表の監督経験があるオシム氏は、学生時代数学を専門に学んでいたのです。

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先生情報 / 大学情報

東京工業大学 大学院社会理工学研究科 人間行動システム専攻 准教授 丸山 剛生 先生

東京工業大学 大学院社会理工学研究科 人間行動システム専攻 准教授 丸山 剛生 先生

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スポーツ科学系

メッセージ

スポーツも科学的に研究されています。スポーツ科学は学際領域と言われており、幅広い分野の知識が必要になってきます。特に私の専門とするバイオメカニクス(生体力学)では、数学のベクトルや行列の知識が重要になってきます。高校時代の理系の勉強が、スポーツに結び付くイメージができにくいかもしれませんが、実際は密接に関係していることをわかってほしいです。最近「理系離れ」が叫ばれていますが、スポーツを切り口にすると興味をもってもらえるかもしれません。

東京工業大学に関心を持ったあなたは

東京工業大学は、1881年の創立以来理工系総合大学として時代を切り拓いてきました。2016年には、大隅良典栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞するなど世界トップレベルの研究を行う大学として高い評価を受けています。現在、本学は日本初となる学部と大学院を統合した「学院」を設置するなど、大きな改革に取り組んでいます。学生が自らの興味に基づいて体系的に学べるカリキュラムを用意するとともに、全ての人がベストパフォーマンスを発揮できる教育・研究環境を実現して、よりよい未来の創造に貢献する人材を育てます。