講義No.02315 法学 建築学

建築基準法と建築

建築基準法と建築

建築基準法が定めているもの

建築基準法という法律は、建築物についての責任の所在を明らかにしています。具体的な一例として、「開口部」という窓や、戸、出入り口などの大きさについても、採光や換気などの細かい決まりがあって、窓や扉も自由自在に大きさを変えられません。一つ一つの部屋ごとに、採光、換気量をこのくらい取らなければならないなど、部屋の面積や用途ごとに細かく規定されていて、計算式も用意されているのです。

建築基準法は与えられた条件の一つに過ぎない

建築基準法は、「建築物に対しては、建築家がすべての責任を取りなさい」という主旨のもとに、具体的なチェック項目についてガイドラインを定めたものとして、存在しています。法律の例で言えば、建築基準法のほかに、都市計画法などもあり、自分が保有する土地、気に入った土地であっても、建てられる建物の種類や、大きさなどが細かく規定されています。容積率は、敷地面積に対する建築延べ床面積の割合を規定し、建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合を規定しています。高さ規制や、北側斜線規制で、隣地の日照を確保しています。さらに、よく地震が話題になりますが、地震以上に頻度が高い強風などについても、どういう構造計算、強度計算をしておくべきかといった点が示されています。

建築は料理と同じ

法以外にも、さまざまな制約を受けて建築は行われています。それはまるで、料理を作るかのようです。料理を作る時には、今、冷蔵庫にあるもの、お財布の中身、今日の体調などを考えて、献立を決めます。集めた食材をどのように切って、味を付けて、盛り付けるかというのが料理だとすれば、建築も全く同じです。どう盛り付けるか、つまり、どのようなカタチの建築にするかということよりも、それ以前のことがはるかに重要です。具体的な条件としては、施主(発注者)の建築物に対する思いが一番肝心であり、それに予算などが付随して建築は行われているのです。

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先生情報 / 大学情報

名古屋市立大学 芸術工学部  准教授 久野 紀光 先生

名古屋市立大学 芸術工学部 准教授 久野 紀光 先生

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メッセージ

建築設計を志すのであれば、大学を選ぶ段階で、現役の建築家が研究室を持っている大学に進学した方がよいでしょう。建築設計は人間相手のところが多いので知識だけでは足りません。実践をきちんとやっている、建築家と言われる人が大学にいないと、知識だけが豊富になりどう実践してよいかわからなくなるという袋小路に入り込みやすくなってしまいます。また、建築家としてだけではなく、研究者としての活動もされる先生であれば、理論部分の裏付けがあり、論理的な教育を受けられると思います。

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