建築基準法と建築
建築基準法が定めているもの
建築基準法という法律は、建築物についての責任の所在を明らかにしています。具体的な一例として、「開口部」という窓や、戸、出入り口などの大きさについても、採光や換気などの細かい決まりがあって、窓や扉も自由自在に大きさを変えられません。一つ一つの部屋ごとに、採光、換気量をこのくらい取らなければならないなど、部屋の面積や用途ごとに細かく規定されていて、計算式も用意されているのです。
建築基準法は与えられた条件の一つに過ぎない
建築基準法は、「建築物に対しては、建築家がすべての責任を取りなさい」という主旨のもとに、具体的なチェック項目についてガイドラインを定めたものとして、存在しています。法律の例で言えば、建築基準法のほかに、都市計画法などもあり、自分が保有する土地、気に入った土地であっても、建てられる建物の種類や、大きさなどが細かく規定されています。容積率は、敷地面積に対する建築延べ床面積の割合を規定し、建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合を規定しています。高さ規制や、北側斜線規制で、隣地の日照を確保しています。さらに、よく地震が話題になりますが、地震以上に頻度が高い強風などについても、どういう構造計算、強度計算をしておくべきかといった点が示されています。
建築は料理と同じ
法以外にも、さまざまな制約を受けて建築は行われています。それはまるで、料理を作るかのようです。料理を作る時には、今、冷蔵庫にあるもの、お財布の中身、今日の体調などを考えて、献立を決めます。集めた食材をどのように切って、味を付けて、盛り付けるかというのが料理だとすれば、建築も全く同じです。どう盛り付けるか、つまり、どのようなカタチの建築にするかということよりも、それ以前のことがはるかに重要です。具体的な条件としては、施主(発注者)の建築物に対する思いが一番肝心であり、それに予算などが付随して建築は行われているのです。
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名古屋市立大学 芸術工学部 准教授 久野 紀光 先生
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