企業とユーザーが一緒になって、新しいものを作っていく
インターネットで世界と結ばれている
情報機器の劇的な進化と情報ネットワークの爆発的な発展は、全世界の人々や組織、企業をリアルタイムで双方向につなぐことを可能にしました。例えば、携帯電話ひとつあれば全世界から情報を受け取ることはもとより、自分から情報を発信することも可能です。さらに、最近では新聞やテレビなどの伝統的な大規模メディアに対抗するかのように、インターネット上のブログ、SNS、掲示板などにおける口コミが、人々の行動を大きく左右するようになっています。
こうしたインタラクティブ(双方向)の新しいメディアであるソーシャルメディア(ユーザー発信型のメディア)を、企業における効率的な情報システムの構築、商品開発、そしてマーケティングに応用しようという考え方が、最近脚光を浴びています。これは「エンタープライズ(Enterprise)2.0」と呼ばれています。洪水のように増える情報を、いかに効率的に処理して、競争相手よりも一歩先んじるかということが、現代のビジネスにおいて非常に重要なポイントとなっているからです。
ユーザーイノベーションで開発している
従来の製品は、大企業の研究所でその道の専門家が最先端の理論で作っていました。しかし、ネットワークが張りめぐらされた現代では、ユーザー側のニーズを企業がどんどん吸収しています。
例えば、スケートボードは、もともとユーザーが作ったものです。ローラースケートとサーフボードを合体させた遊びを企業が商品化しました。企業の商品開発者とストリート系のユーザーでは、発想も違うのでユーザー側による製品の改良などの情報が企業にフィードバックされて商品が改良、開発されています。これはユーザーイノベーション(ユーザーによる革新)と呼ばれるもので、これまでの企業による特許での囲い込みではなく、技術やノウハウを積極的に共有して、新しいものを作っていくという考え方で、インターネットの発達によってこれからもどんどん発展していくと考えられています。
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