人間をサポートしてぶつからないクルマの実現

人間をサポートしてぶつからないクルマの実現

ぶつからない車が誕生する!?

運転中のドライバーが、ついうっかり、または急病などで注意力が低下したときに、車が運転をサポートしてくれたら、ドライバーはとても安心できます。例えば、走行中に追突しそうになったとき「レーダーが先行車を見つけて警報を出す」「ブレーキをかける」、または「道路の白線に沿って走る」「先行車と一定の距離を保ちながら走行する」など、自動で作動する運転支援システムがあれば、事故は未然に防ぐことができます。現在、このような夢の自動車の運転支援システムの研究・開発が進められています。

夢のような知能化自動車の自動運転システム

電動モータで動く電気自動車は、優れた環境性能を持つだけではなく、正確かつ自由自在に駆動力と制動力を制御できることも特徴です。自動運転システムでは、「対向車が近づいていたら自動的に停止線に止まる」「交差点で状況を把握し、安全の確認が取れたら発進する」といったシステムの開発が進められています。さらに車の前に取り付けられたレーザレーダが、感知範囲以内に物体がいなければ進むことができると判断することも可能です。例えば、交差点で右折するとします。横断歩道に歩行者がいたら、その存在をレーダーで感知し、自動でブレーキをかけることもできます。
あるいは、あらかじめドライバーの運転データを取っておき、機械がドライバーの意図を読み取り自動運転することも考えられています。これが実現すれば、まさにボタン1つを押すだけで運転を楽しむことができるのです。

人間とシステムの微妙なバランス

このような自動運転システムにより、事故を未然に防げ、安全性が向上します。しかし、人間がシステムを過信してしまう危険性もはらんでいます。自動運転システムの理想は、「人馬一体」で人間の良いパートナーとなり、賢く人間の運転をサポートすることです。研究段階ではその境目の難しさも加味しながら、危険に近づかせないための支援や開発が行われています。

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東京農工大学 工学部 機械システム工学科 教授 ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク 先生

東京農工大学 工学部 機械システム工学科 教授 ポンサトーン・ラクシンチャラーンサク 先生

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機械工学

メッセージ

大学で車の研究を希望するなら、物理と数学の知識が基本中の基本です。今後はさまざまな形の車が登場して、情報で動く車になって普及するでしょう。燃料電池に関連する化学分野、カーナビに関連する情報通信分野など幅広い分野があります。また、視野を広げて、より多くのことに興味を持ってほしいです。そして、チームワークの力やコミュニケーション能力は大切です。でもそれらは授業では学べないことなので、部活動をするなど、いろいろな人とかかわり合いを持ち、経験を積むなどして、人間関係をうまく作る能力も養ってください。

東京農工大学に関心を持ったあなたは

東京農工大学は、自由な発想に基づく教育研究を通し、社会や自然環境と調和した科学技術の進展に貢献し、それを担う人材を育成します。民間機関等と行う大型の共同研究数は全国の大学で第一位です。MORE SENSEを基本理念とし、果すべき役割の大きさ、重さの自覚の上で農学と工学との協働をさらに進展させ、本学の特色を生かした教育、研究、社会貢献、国際貢献を一層前進させるための努力を続けていきます。