社会と暮らしを支える、さまざまな「情報システム」
気づかずに使っている「情報システム」
あなたは1日のうちに、「情報システム」を何回くらい使っていますか? 無料通話アプリやSNS、バスや電車に乗る時のチャージ式ICカード、おサイフケータイなど、これらも情報システムで、生活のいろいろな場面で活用しているのです。以前は住んでいる自治体(市役所など)に行かなければ交付してもらえなかった住民票なども、今では最寄りの郵便局やコンビニで受け取れる地域があります。また、災害などに備えて防災システムの構築に取り組んでいる自治体もあります。ICT(情報通信技術)を使った情報システムは、いまや社会を支える「インフラ」のひとつです。
サービスは、「不特定多数」から「あなた」へ
「カスタマイズ」が可能になったことも、近年の情報システムの特徴です。例えば、電子書籍や音楽の配信、ショッピングサイトなどには、1度利用すると、その個人の好みを予測し同じアーティストの作品や類似商品を画面上に表示するものがあります。膨大な量のデータを解析する技術が進歩していることで、不特定多数の人を対象にした従来のサービスから、個人をターゲットにした「One to One」マーケティングの形態に変わりつつあるのです。
重要なのは、「何が求められているか」
現在、さまざまな情報システムが存在しています。今後、さらに新たな情報システムが誕生し、私たちの暮らしも便利になることが予想されますが、重要なのは「利用者はどんなサービスを求めているか」を分析することです。また、それらを安心・安全に使える仕組みづくりをすることも重要です。
どんなに高度なシステムであっても、利用者が「便利になった、今後も使いたい」と感じなければ、作る意味がありません。また、例えば行政のシステムであれば、かかった費用に対して住民がどれくらい便利になり、仕事がどれくらい効率良く改善されたかを考える「費用対効果」が大切なポイントになります。そうした点について検証することが、情報システム研究の重要課題のひとつと言えるでしょう。
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