ますます存在価値を増す、未来材料「レアメタル」
レアメタルとは何か
「レアメタル」または「レアアース」という言葉は、今日の私たちにかなりなじみのあるものになってきました。でも、「レアメタルって何?」と改めて問われると、なかなか答えが出てこないのではないでしょうか? 「携帯電話やパソコンなどの電子機器に不可欠な、希少な(=レア)、金属(=メタル)」と、漠然ととらえている人も多いことでしょう。
レアメタルとは、鉄、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛などのコモンメタル(=昔から大量に使われてきた一般的な金属、ベースメタル)を除いた金属の総称です。学会などによる明確な定義や分類方法があるわけではありません。
また、最近話題のレアアース(希土類元素)もレアメタルの中の1グループです。レアアースは、性質が似ていて鉱石から一緒に産出することの多い17の元素のグループの総称です。
レアメタルが“レア”な理由
レアメタルは、埋蔵量が少ないために希少な金属だと思われているふしがあるのですが、必ずしもそうではありません。
確かに、白金(プラチナ)などの貴金属もレアメタルですので、埋蔵量が少なく“レア”なものもあります。しかし、チタンやシリコン、マグネシウムなどのレアメタルは、資源的には豊富であるにもかかわらず“レア”と呼ばれます。それは、これらが鉱物資源としては豊富でも、精製や加工が難しく、工業製品に活用するためには高い技術力が必要だからです。また、高い純度に精製したり、合金や化合物にすると、それまでにはなかった優れた機能や性質を発揮するレアメタルも多くあります。つまり、科学や技術の発展によって、利用価値やその可能性が飛躍的に増している特殊な金属が、今日のレアメタルなのです。
省エネ社会にも貢献するレアメタル
現在、レアメタルは軽量・高強度・高機能な材料として、電子機器、自動車、航空機などに活用されています。また、ハイブリッド自動車、太陽光発電など、省エネのための製品にもレアメタルが不可欠です。レアメタルは、今後ますます存在価値を増す“未来材料”と言えるでしょう。
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