資源学は地球温暖化対策にどう貢献するのか?
資源学はどんな学問?
地球にある資源はどこでどうやってできたのでしょうか。資源の成因を調べたり、資源を探し、安定して生産・供給することは、経済や産業の成長につながります。また、良好な国際関係を築く上でも重要な役割を果たします。
最近は、気候変動、地球温暖化への懸念から、カーボンニュートラルや低炭素社会に向けた取り組みが進められています。重要鉱物などを使った電気自動車や再生可能エネルギーの普及が代表例です。これら地球温暖化対策に必要不可欠な資源・素材を安定供給することが強く求められており、石油や天然ガスを使用した際に排出される二酸化炭素に関しては、地中に貯留するための技術開発が行われています。このように21世紀が向き合う課題に、資源学が大いに貢献しているのです。
鉱物資源からの金属回収と都市鉱山開発
例えば鉱物資源から、金属やレアメタルをどのように取り出しているのでしょうか。これは鉱石中の有用成分を「分離」、「濃縮」することで回収することができます。まず鉱石を細かく砕き、粒子状にします。そして薬剤などを使って泡で分離する、溶液を使って分離するなどの方法で取り出しているのです。
一方、天然資源が少ない日本では、都市鉱山とよばれる使用済みとなった携帯電話やパソコン、家電製品などから電子基板等を回収し、レアメタルを効率よく抽出する「選別技術」や「製錬技術」が使われています。このように廃棄物等をリサイクルすることを「都市鉱山の開発」といい、資源循環の考え方の一つになります。
地球温暖化対策への期待と資源学の将来展望
資源学は21世紀の資源循環や資源供給に大いに役立つでしょう。さらに低炭素社会やカーボンニュートラルを実現するために重要な役割を果たすと考えられます。天然資源に乏しい日本から見ると、資源・エネルギーの確保(安全保障)にも貢献するでしょう。遠い未来になるかもしれませんが、宇宙資源の開発なども期待されます。資源学の挑戦と資源技術の将来に期待が寄せられます。
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先生情報 / 大学情報
秋田大学 国際資源学部 国際資源学科 資源開発環境コース 教授 柴山 敦 先生
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