マーケティングはコミュニケーションだ!

マーケティングはコミュニケーションだ!

コミュニケーションの力

マーケティングは商学や経営学の1ジャンルですが、身近な問題を扱うものです。「マクドナルドが100円ハンバーガーを売る狙いは?」など売り手側からの視点と、「なぜ298円だとつい買いたくなってしまうのか?」といった消費者行動の面から分析していきます。その過程で大事なのが「コミュニケーション」です。例えば、CMの言葉がどれだけ消費者に届いているか、企業がCMにどのような情報を込め、消費者がどう受けとめて行動したかというのは、すべてコミュニケーションの力によるものと言えます。
マーケティングは、「広告(プロモーション)」「製品」「流通」「価格」の4つの要素で動いていますが、単に数字だけを扱っているわけではありません。心理学や言語学、さらには哲学など、目に見えないものをめぐる学問と交わりながら追究していくものです。

ニーズをうまく掘り当てて成功!

2010年にヒットした商品の一つにノンアルコールビール「FREE」があります。それまでもノンアルコールビールはあったのですが、売れ行きはさっぱりでした。
ビールを飲めない人が、ノンアルコールビールを飲みたいと思うでしょうか? 実は原因はそこで、従来の製品はお酒の飲めない人に向けて売ろうとしていたのが失敗の元でした。一方、ビールが好きな人でも妊娠中や運転前などで飲めない状況の人はおり、そこに向けて売り出せばいいのではないかというニーズを発掘したのです。そして、そのターゲットに向けた広告戦略をとり、見事にヒットにつながりました。

インターネット・マーケティング

現在、日常でもメールやネット上でのコミュニケーションが増え、マーケティングでもインターネットの活用が重要になってきました。メリットとしてはクリック数や滞在時間の把握で広告の成果がわかりやすくなったことや、アンケートなど消費者と直接・即時的にやりとりできるようになったことなどが挙げられます。今後はネットをもっとうまく活用し、消費者のニーズを掘り起こしていく工夫が必要でしょう。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

東京都立大学 経済経営学部 経済経営学科 准教授 水越 康介 先生

東京都立大学 経済経営学部 経済経営学科 准教授 水越 康介 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

経営学・商学、経営情報学、社会学

メッセージ

高校生におすすめしたいのは、とにかく実際にやってみることです。マーケティングや製品開発に興味があって「将来、起業したい」と考えている人もいると思いますが、その思いだけで起業することはできません。本当に起業したい人は、思う前にすでに何か始めているものです。思うのと実際に行動するのでは大違いです。やってみて間違いや自分の適性に気づけば、ほかの道を探ることだって可能ですし、起業に必要なものが具体的にわかるかもしれません。高校生だからできないなんてことはありません。まず何でもやってみることです!

東京都立大学に関心を持ったあなたは

東京都立大学は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。