お昼も進路も決められなーい!
ど・れ・に・し・よ・う・か・な
あなたはコンビニでお昼ごはんを買おうとしています。棚にはお弁当やおにぎり、サンドイッチが並んでいます。さあ、あなたは買うものをどのようにして決めていますか? 頭の中を(お弁当はおいしそうだけれど値段は一番高い)、(おにぎりは安いけれど栄養のバランスが悪い)、(サンドイッチは値段的にはいいけれどここのは味がイマイチ)などなど、いろいろな思いがめぐるでしょう。
こういうとき人間は、お弁当、おにぎり、サンドイッチという選択肢の「属性」(値段、味、好み、栄養など)に点数をつけ、その点の最も高いものを選んでいるのだという考え方があります。この考え方に基づいた意思決定支援ソフトもたくさんあります。
しかし、そのように点数づけをした結果をあなたに見せ、「さあ、これが一番点数の高い選択肢です。これがあなたの食べるべきお昼ですよ」と言ったとしたら、あなたはきっとこう思うでしょう。「それはそうかもしれない。点数が一番高いんだから。でも……、なんだか納得できない」と。
意識と無意識の折り合いをつける
このもやもや感は何なのでしょうか。近年の実験で、人間が何かを決定するときは無意識や直観が大きく関わっていて、実はそうして得た結論の方が、数値化で得られた結論よりも正解に近いことが多いということがわかってきています。説明や理由づけをされて「これが正しい決定だ」と説得されても、何だか腑に落ちないときは、無意識がその結論に異議を唱えているのです。
意識は人間が進化の過程でごく最近身につけたもので、まだうまく使いこなせていないようなのです。それに比べて、もっと古くからある無意識は、意識レベルではとうてい処理しきれない量の情報を高速で処理しています。
ただし、すべての決定を無意識に委ねていいというわけではありません。意識と無意識の折り合いをうまくつけていくことが望ましい意思決定と言えるかもしれません。
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先生情報 / 大学情報
東京都立大学 経済経営学部 経済経営学科 教授 長瀬 勝彦 先生
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