持続可能な社会へのカギ! 消費電力を削減する光技術
通信の電力使用量が課題に
パソコンやスマートフォンといったデバイスで、動画やゲームを楽しむ人は多いでしょう。現代において、通信は欠かせないものとなっています。通信で使われる電力量がどのくらいかというと、日本では総電力量の約10%を通信で消費しています。動画やゲームの速度や容量は年々上がっており、3年で電力使用量が2倍に増えると予測されています。実際に、数年前までは約2%でした。このままでは今から3年後に20%、6年後に40%、9年後には80%の電力が通信で消費することになります。
通信やデータ処理などに必要となる消費電力を削減することが急務です。持続可能な社会実現のために、これまでの電気通信よりもエネルギー効率の高い「光通信」に切り替わりつつあります。
光技術開発に必要なこと
そして、今は電気で動くスマートフォンやパソコンなども、次世代では光集積回路が使われるようになるでしょう。このように集積回路(IC)においても、電子から光への転換が進み、より小型化や省エネルギー化が求められています。
実現には、使用する光部品をどう設計するかがカギです。ただ、素晴らしい設計ができても生産できなければ意味はありません。製造工程も考案することが不可欠で、中でもコスト高となる「動作確認検査」を工夫する必要があります。例えば、画像処理技術を用いて異常を素早く検知するといった方法が考えられます。このように、実現をめざして開発することが大切です。
世界の最先端になるチャンス
注目されている光学ですが、まだマーケットは比較的小規模といえます。光集積回路に関する研究の歴史はままだ浅く、世界と戦うなら今がチャンスです。
例えば、機械学習を活用して光集積回路の設計や生産工程の効率化を試みるなど、光学と情報工学をさらに高いレベルで融合させてもいいでしょう。アイデアと工夫次第で、最新技術になることも大いにあり得ます。今こそ、日本が世界の最先端に躍り出るチャンスなのです。
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先生情報 / 大学情報
公立千歳科学技術大学 理工学部 情報システム工学科 教授 福田 浩 先生
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光集積回路、光学、情報工学先生が目指すSDGs
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