多様な性って何だろう? 求められるSOGIの視点
多様な性のあり方を表すLGBTQ+とは?
性的マイノリティのあり方を表す「LGBTQ+」という言葉が認知されるようになりました。Lはレズビアン、Gはゲイで、同性を恋愛や性愛の対象とする人を表します。Bはバイセクシュアルで、同性・異性両方が恋愛や性愛の対象になる人。Tはトランスジェンダーで、生まれたときに割り当てられた性別とは異なる性別で生きる人、Qはクエスチョンで自分の性がはっきりしない人、そして+(プラス)は、そのどこにも当てはまらない人たちです。
性的マイノリティの人の物語
LGBTQ+の当事者が性アイデンティティを確立する過程を、生涯にわたって何度もインタビューするという手法で明らかにしていく研究があります。例えば、あるトランスジェンダーの人への20年にわたるインタビューでは、自分が「性同一性障害」だと気づき、周りにカミングアウトし、トランスジェンダーとして生きていくまでの葛藤の物語が浮かび上がりました。また、当事者の家族や教員などへのインタビューも行われ、当事者を取り巻く人の心境や認識が調査されました。こうした研究を通してわかってきたのは、性的マイノリティの人たちは本来の自分を隠して一人で悩む傾向があり、その生きづらさを軽減するには、性の多様性に対する社会の理解が不可欠だということです。
誰もが生きやすい社会に
多様な性のあり方を受け入れ、誰もが生きやすい社会にするために重要な用語が、「SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity 性的指向と性同一性)」です。性(セクシュアリティ)は、「身体的性別」「性同一性」「性的指向」「性役割」などの要素の組み合わせによって構成されます。各要素について、男女の「成分」の強さが人により異なり、実はマジョリティの中でも非常に多様なのです。SOGIという視点があれば、マジョリティ、マイノリティの区別なく、その人の性のありようを語ることができ、ひいては社会の認識を変えることができるのです。
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帝京平成大学 健康メディカル学部 心理学科 准教授 荘島 幸子 先生
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