悩み相談のスペシャリスト「ソーシャルワーカー」の役割と可能性

悩み相談のスペシャリスト「ソーシャルワーカー」の役割と可能性

あらゆる悩みの相談に応え支援する専門家

ソーシャルワーカー(社会福祉士)とは、生活に困っている人や、不安を抱えている人々に対して、「経済的」「心理的」「社会的」問題などに関する相談を受けて、解決するために援助を提供する専門職のことです。最近では、保険医療機関や学校だけでなく、地方検察庁でも、比較的軽い犯罪をくり返す高齢者の再犯防止のために、仕事や生計の面で必要な支援を助言するなど、さまざまなフィールドにおいてソーシャルワーカーへのニーズが高まっています。

困っている人をどうやって支えていくか?

ソーシャルワーカーは心理カウンセラーと比較されることがあります。心理カウンセラーが、相談者の抱える問題の解決を中心に考えるのに対して、ソーシャルワーカーは、相談者のよいところを発見して伸ばしていくこと、そして「今後困らない」ように、環境から整えていくことを中心に考えます。
例えば、海のそばでおなかをすかせている人がいたら、食料となる魚を提供するだけでなく、釣り竿(ざお)を渡して、魚の釣り方も教えるのがソーシャルワーカーです。ソーシャルワークというと介護領域だけのことをイメージする人も多いかもしれませんが、本人の気づいていない長所を見つけ、環境から整備していくというソーシャルワークの視点やスキルは、友だちや部活動などの人間関係に悩む子どもたちの援助、また、社会に出てからの人材育成などにも活用できるのです。

ソーシャルワーカーに必要なものとは?

困っている相談者の環境面からの支援は、ソーシャルワーカーだけの力で解決できることはまれで、相談者の背景にいる家族や友人、自治体、学校などと連携し、さまざまな観点から支援していくケースがほとんどです。
そのため、ソーシャルワーカーとして活躍するには、資格・知識以上に人脈の豊富さや、周囲を巻き込むコミュニケーション力が重要です。あらゆる分野で、困っている人の相談に親身に寄り添う、幅広い人脈とコミュニケーション能力を備えたソーシャルワーカーに期待が高まっています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

千葉商科大学 人間社会学部 人間社会学科 教授 勅使河原 隆行 先生

千葉商科大学 人間社会学部 人間社会学科 教授 勅使河原 隆行 先生

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人間社会学

メッセージ

千葉県の山武(さんむ)市と連携し、田んぼに稲で絵を描く「田んぼアートプロジェクト」の開催や、地域活性化に関する取り組みに携わっています。学外でさまざまな人とコミュニケーションを取ることで、価値観の違いを学んだり、ソーシャルワーカーにとって最も重要である人脈を広げたりできます。
学生・市役所・市民のように、立場が異なる人たちが一丸となってまちづくりや地域活性化に向かうというやりがいのある活動を一緒に体験しましょう。

先生への質問

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商経学部は簿記・会計、語学、ITを基礎に幅広い知識を学び、実社会で活躍できる力を身につけます。政策情報学部は文系理系を越えてITエンジニアやテレビ番組制作者、公務員や政策実務家が誕生しています。サービス創造学部は学問・企業・活動を通して学び、ビジネスで世の中を豊かにできる、「新しいサービスを創造する人材」を目指します。人間社会学部は世の中の課題を解決し、人にやさしい社会をつくるための力を身につけます。国際教養学部は国内外の場所を問わずグローバルに活躍できるビジネスパーソンを目指します。