そのブランドはいくら? ~会計学と経営学から社会を見る~
ブランド力とは何なのか?
人や企業、あるいは国などの豊かさを「お金」という基準で計るのが「会計学」です。そして、それらをベースに付加価値や株式の評価額などを加味して企業の評価を行ったり分析したりするのが「経営学」です。
例えば、2つの同じ家電があるとします。片方はブランド力のある家電メーカーの製品、片方はノンブランド品ですが機能や性能は同です。値段も同じなら、多くの人がブランド力のある家電メーカーの製品を欲しいと思うでしょう。それはなぜでしょうか? 純粋に製品の性能を比較するならば両製品は同じ価値になるはずです。しかし「○○社製」というブランド力が加わることで、その製品には付加価値が生まれるのです。
価格ではなく付加価値で差別化
技術力が向上し、次々と新製品が出てくる時代にあり、性能的な差別化が難しくなる中で、他社製品とどこで差をつけるかといえば、何らかの「付加価値」です。その意味で成功を収めたのが、化粧品などで有名なTHE BODY SHOPです。同社は簡易包装や容器再利用によるディスカウント、化粧品製造における動物実験反対など「環境保護を実践している企業」としてのイメージを定着させました。そうしてブランド力を高めることができたのです。
同じお茶でも違う価値
こうした付加価値によってものの値段が変わってくることは、私たちの社会ではたくさん見られます。例えばペットボトルの同じお茶があったとしても「堀北真希が飲んだお茶」と「一般の人が飲んだお茶」では、その価値がまったく変わってくるでしょう。ものの価値をどう評価するかによって、お金の動きも変わってくるのです。
会計学の中でブランド力はなかなか見えてきませんが、それが売上という数値に反映されると、また違った見方ができることでしょう。会計学によって人間が行っている活動を「お金」に換算する。そうして最終的に経営学では社会の実態や現実など社会科学の観点も含め「豊かさ」を見るのです。
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