本当の美しさって何?

本当の美しさって何?

美しさの価値観の変化

美しくなりたいと思う女性は、いったい何を「美」と認識しているのでしょうか。大きな目が美しいという価値観が支配的になった背景には、明治維新の西洋化政策の影響があります。それまで美人は一重で切れ長の目でしたが、明治後期の日本初の美人コンテストで、二重で丸い目の女性が注目されました。先進国だった欧米人の顔に日本人が近づきたかったのです。現在のアイメイクは1995年の女子高生ブームに始まります。それまで舞台メイクなど限定的に使われていたマスカラやつけまつ毛が日常的になり、高校生にもメイクが定着しました。

貧しくなった美

現代は美しくなるための物や情報があふれているのに、めざす美しさが画一的です。自分がなりたい美しさは、どの世代も4、5人のタレントなどの有名人に集中し、有名人と比較して自分は美しくないと悩む女性も多くいます。またメイクや体型は完璧でも立ち居振る舞いや言葉遣いの美しくない女性が増えました。そういう意味で美は貧しくなっていると言えるのです。

スロービューティーのすすめ

「スロービューティー」とは「人それぞれ・年それぞれの美しさ」のことです。現在の画一的な美で個人の外に置かれている価値基準を、自分の中に置くことです。アンチエイジングがブームですが、30代より20代の方が美しいとするなら、年齢を重ねた10年の意味がなくなってしまいます。だから、毎年毎年違った美を創って行くことが大切です。スロービューティーとは、美という価値は狭いものでなく多様だと知ることで、劣等感から抜け出して豊かな人生を送る社会になってほしいという願いから提唱した概念です。
スロービューティーを身につける方法として、和服をおすすめします。和服1枚で染・織・柄など日本文化の知識や美意識を知って教養が身につくだけでなく、着れば全身の状態を意識するので、立ち居振る舞いも自然に美しくなります。もちろん、女子力もアップします。

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先生情報 / 大学情報

駒沢女子大学 人間総合学群 人間文化学類 人間関係専攻 教授 石田 かおり 先生

駒沢女子大学 人間総合学群 人間文化学類 人間関係専攻 教授 石田 かおり 先生

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化粧文化論、哲学、美学

メッセージ

高校時代の勉強はしっかりとやっておきましょう。大学に入ってからや社会人になってから、自分の興味のある分野を思い切り究めたいとか、仕事や生活の中で気になったことを真剣に理解したいと思ったときに、高校時代の勉強が役に立つことが多いのです。高校時代には必要ないと思って遠ざけてきた科目も、自分で調べる際の手がかりになることがあります。高校時代の勉強をがんばって、夢を持って大学に来てください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

駒沢女子大学に関心を持ったあなたは

道元禅師の「正念」と「行学一如」という教えを建学の精神とする駒沢女子大学・駒沢女子短期大学では、一人ひとりの学生が、知性と理性を備え、それを実践しうる心豊かな女性となるよう懇切丁寧な指導を行っています。
そのため本年度より教職員が学生の皆さん一人ひとりと向き合い、手厚く面倒を見ていく「テーラーメイド教育」という考え方を取り入れます。
私たちが考える「テーラーメイド教育」とは、学生の皆さんからの要望をそのまま受け入れることではなく、学生その人にとってもっともふさわしい教育内容等を提供することです。