運動音痴、動作の癖は、幼児期の運動体験で決まる!?
幼児期の運動や、体を動かした体験が重要
「ボール競技が苦手」、「走るのが遅い」など、苦手なスポーツは誰にでもあるものです。ましてやアスリートでさえ、「この癖を直したら、もっとタイムが伸びるのに」と、苦労を重ねて練習します。ではなぜ、人によって苦手な動きや癖があるのでしょう。大きく影響しているのは、幼児期から小学校低学年までに、いかに体を使って遊んだかという運動の経験値です。
選手の癖を直す場合でも、いきなり技術を得ようとするよりも、足を前に上げるといった単純な動作から練習し、徐々にレベルアップしていくほうが効果的であることがわかっています。それだけ、幼児期に身につけた、基本動作、幼児期に癖がついてしまった単純な動作が重要なのです。
声かけや援助活動で子どもの運動能力は変わる
幼児には、「運動音痴」はいません。「ボール遊びをしなかった」といった経験不足が、成長してからの運動能力に影響を与えるのです。ハイハイのしかたをみても、お尻をあげる子や膝をつく子、両手を外側に向けてハイハイする子もいます。保護者がうまく指導しながら、子どもにいろいろなハイハイをさせるのが理想です。また、物心がついてくると「怖かった経験」や「未知のことへの恐怖心」が出てきます。男子とのサッカーは怖いという子がいたら、女子だけで遊ばせてみる、「鉄棒ができない」という子には、レベルを下げて達成感がもてるような動作にしてみるといった指導が必要になります。もちろん、幼児にも個人差はありますが、指導者の声かけひとつで子どもたちの運動能力は大きく変わるのです。
保育士や教師は、運動に関する知識も必要
今、子どもの運動不足が問題視されています。現在の男子の体力は、1980年代の女子と同じくらいしかありません。保育士や小学校の先生をめざす人にとって、運動に関する知識や本人のやる気を出させるコツ、「できた!」と達成する喜びを感じさせられる能力は、不可欠と言えるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
至学館大学 健康科学部 こども健康・教育学科 准教授 内田 智子 先生
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