バイクに乗ると頭が良くなる。ホントに?

バイクに乗ると頭が良くなる。ホントに?

どうしておじさんライダーは若々しいのか

なぜかカッコいいオヤジたちがいます。その共通点はオートバイ乗りであることです。バイクを運転している中高年が妙に若々しいのはなぜでしょうか。考えられる理由は二つあります。まず思いつくのは、もともと年齢の割に気が若い人たちがバイクに乗っているから。逆に、もしかしたらバイクに乗ることが若々しさを保つカギなのかもしれません。正解はどちらなのでしょうか。
以前はライダーの脳を測定する装置などありませんでした。ですから、脳科学の方面から答えを出そうにもデータ測定ができなかったのです。ところが最近、ウェアラブルタイプの光トポグラフィ(脳の働きを計測する装置)が開発され、ヘルメットを被っていても脳の様子を測定できるようになりました。
そこでサーキットでさまざまなライダーにバイクを運転してもらい、脳の働きを調べました。例えばカーブを曲がるとき、ブレーキをかけたとき、アクセルを回したときに脳はどのように働いているのか。

バイク運転の驚くべき効果

この調査によって、バイクを運転すると前頭前野が活発に働いている、つまり脳が活性化しているというデータが得られました。さらに調査を重ねると驚くべき事実がわかったのです。
バイクに乗る・乗らないで、どんな違いが出るかを実験によって調べました。まず条件を揃えるために、同じ会社に勤め、同じような生活をしている二つのグループを作りました。そして片方のグループには通勤や普段の生活でもバイクに乗ってもらい、もう一方にはこれまで通り車や自転車で通勤してもらったのです。
バイクを使うようになったグループでは、脳のさまざまな働きが良くなりました。しかも仕事や生活の中でのストレスを尋ねるアンケート調査でも、ストレス度が明らかに下がっていたのです。
結論は、バイクに乗ることで脳の前頭前野が働くようになり、ストレスも確実に減る、ということ。ライダーの脳の状態を調べた結果、バイクには意外な効用があることが明らかになったのです。

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先生情報 / 大学情報

東北大学 加齢医学研究所  教授 川島 隆太 先生

東北大学 加齢医学研究所 教授 川島 隆太 先生

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脳科学

メッセージ

少し厳しい事実をお知らせしましょう。大学入試で乗り越えたハードルの高さと、その人のさまざまな能力には相関関係があるのです。これは脳の測定や心理実験に基づく結論。だから「入試なんかでオレのことをわかられてたまるか」と思わずに、むしろ「入試も突破できずに夢がかなうはずない」ぐらいの強い気持ちを持ってください。受験勉強は面白くないかもしれないけれど、必ずあなたの能力を伸ばします。努力から逃げないで、ぜひ少しでも高い目標にチャレンジしてください。

先生への質問

  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

東北大学に関心を持ったあなたは

建学以来の伝統である「研究第一」と「門戸開放」の理念を掲げ、世界最高水準の研究・教育を創造しています。また、研究の成果を社会が直面する諸問題の解決に役立て、指導的人材を育成することによって、平和で公正な人類社会の実現に貢献して行きます。社会から知の拠点として人類社会への貢献を委託されている東北大学の教職員、学生、同窓生が一丸となって、「Challenge」、「Creation」、「Innovation」を合言葉として、価値ある研究・教育を創造して、世界の人々の期待に応えていきたいと考えます。