アンドロイドが携帯電話の可能性を飛躍的に拡大する

アンドロイドが携帯電話の可能性を飛躍的に拡大する

誰でも技術的に参加できるOS

情報通信技術は現在、日進月歩で発展を続けています。昨今の携帯電話の進歩には目ざましいものがありますが、中でも特に注目されているのが「アンドロイド端末」です。アンドロイドとは、主として携帯情報端末用に開発されたOS(オペレーティングシステム:基本ソフト)のことで、プログラムがオープンソースとして一般に公開されており、誰でも自由にプログラムを読んだり書き換えたりできるのが大きな特徴です。つまりアンドロイドは、誰もが技術的に参加できるOSなのです。

自分専用のアンドロイド携帯電話を作ることも

もちろん、こうしたプログラムを読むためには、C言語と呼ばれるプログラミング言語を勉強する必要があります。C言語の知識があれば、たとえ学生でも、プログラムを書き換えて「自分仕様」のアンドロイドを作ることができます。従来の携帯電話では、製作会社の技術者など、限られた人しかプログラミングできなかったことを思えば、これは非常に画期的なことです。技術者からすると、他人に運転してもらっているタクシーと、自分で運転できる車くらいの違いがあります。

よりよいOS作りが可能に

OSを自由に変えることができるおかげで、よりよいOSを作るための研究も進んできており、携帯電話の性能アップにも役立っています。例えば最近の研究では、データの読み書きのスピードをより速くすることに挑戦していますし、ネットワークのスピードを以前より速めることにも成功しています。また、携帯電話アプリケーションを立ち上げる際に時間がかかる場合がありますが、アンドロイドのプログラムを分析することで、アプリケーションを立ち上げる時に、どのような処理が行われ、どの部分で時間がかかっているのか、原因を明らかにすることができました。携帯電話やタブレット型パソコンのようなライトな端末は、今後も飛躍的に需要が伸びると言われています。その爆発を「起こす側」に回ってみましょう!

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

工学院大学 情報学部 情報通信工学科 教授 山口 実靖 先生

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情報通信工学

メッセージ

大学は自分が興味を持っている分野を専門に学ぶところですから、講義が楽しいです。ですから、学部選びはそういう視点で行ってほしいです。工学院大学情報通信工学科では、情報(コンピュータ)や通信(ネットワーク)、電子(エレクトロニクス)技術などを学ぶことができます。今、情報通信の世界は大きな発展をしています。勉強を積み重ねていけば、あなたもその発展の一翼を担って、一緒に発展を楽しむことができます。技術者として理系の道を選ぶのであれば、大学できっちり勉強して「社会を発展させる技術者」になってほしいです。

工学院大学に関心を持ったあなたは

工学院大学は、2017年に創立130周年を迎えた、伝統のある大学です。2019年4月から、専門性を高めた知識を得られるように、先進工学部の「応用物理学科」と「機械理工学科」では各学科を2専攻に分け、きめ細かな学修ができる体制に変わりました。
応用物理学科には応用物理の分野を究める「応用物理学専攻」と宇宙関連分野を学ぶ「宇宙理工学専攻」を、また機械理工学科には従来の機械の知識を学びながらグローバルな視点を養う「機械理工学専攻」とパイロットライセンスの取得をめざす「航空理工学専攻」を設置しました。