社会福祉は、問題解決を通して私たちの幸せな生活をめざす
人生にはさまざまな問題が起こる
人間は、この世に生まれてから人生を終えるまで、生活を送る上で、たくさんの問題に遭遇します。「障がいを持ったら」「病気になったら」「失業したら」など、さまざまな問題に対して、対応していくのが社会福祉です。「福祉」という言葉は「幸せ」という意味を持っているのです。どのような人が福祉の対象者となるかといえば、子ども、高齢者、障がい者、日本のルールになじみにくい外国籍の人、事故や事件の被害者、罪を犯した人、病気の人、低所得の人などです。
困っていても相談できない
ところが、このような人たちが必ずしも「SOS」を出しているとは限りません。困っているはずなのに、それを口に出せない人、家庭内でのトラブルを抱える子どもなど、誰にも気づいてもらえない人もたくさんいます。そのため社会福祉を担う人は、「何に困っているか」「何が言いたいのか」ということをくみ取り、問題を解決します。その役割を担っているのが、社会福祉士です。社会福祉士は社会福祉事務所、社会福祉協議会、社会福祉施設、児童相談所などで活躍しています。「福祉」がつく場所だけではなく、病院において治療費などの問題や退院後の生活設計の相談にのる医療ソーシャルワーカーや学校で活躍するスクールソーシャルワーカーもいます。
解決する糸口を見つける
社会福祉は、日常生活を過ごす中での問題解決をめざします。問題を抱えた人たちの状況は、いろいろな問題が複雑にからみあっていることが多いものです。その人たちの生活を改善するためには、まず問題状況にある当事者とのコミュニケーションを大切にし、問題やニーズを明確にしていきます。次に福祉の法律・制度を知った上で、必要な社会福祉制度の利用や支援サービスへとつなぐための調整が重要です。そして、支援を求めている人に、わかりやすく説明し、理解してもらうことも必要です。問題解決に向けて、相手の立場を理解する「withの精神」の温かいハートと、クールな頭が社会福祉士には求められているのです。
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先生情報 / 大学情報
大阪人間科学大学 人間科学部 社会福祉学科 教授 中川 千恵美 先生
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