大量の画像から「ある画像」をピンポイントで検索する技術!

大量の画像から「ある画像」をピンポイントで検索する技術!

世界は画像で溢れている

世の中にある画像の数はすごい勢いで増え続けていると言われています。例えば、画像共有サイトのFlickrには1年間に数千万枚以上の画像がアップロードされ、2011年までに60億枚の画像がアップロードされているそうです。仮に1枚の画像を見るのに1秒かかるとすると、60億枚の画像を見るにはおよそ200年かかる計算になります。これほど大量の画像から欲しい画像を探すことは人間には無理なので、コンピュータに頼るしかありません。

画像をバーコードにしてしまう技術

コンピュータを使って画像を探し出す技術の中には、「ある画像」をピンポイントで探し出すものがあります。
この技術を使うということは、画像をバーコードにしてしまうことです。バーコードの一種であるQRコードを携帯電話で撮影すると、あらかじめ登録されたホームページが開いたりすることができます。画像をバーコードのように扱うことができれば、普通の画像を撮影するだけで同じことができるようになります。これを実現する秘訣は、画像に含まれるその画像特有の情報をうまく取り出すことです。画像には、「色」「形」「濃淡」などさまざまな情報が含まれています。これらを、人の指紋や、バーコードのように、画像を特定する固有の情報として使います。これらの情報をデータベースに蓄積しておくことで、同じ画像とマッチングできるのです。

1億ページの文書画像とのマッチングは0.1秒

「ある画像」をピンポイントで探し出す技術の中には、文書や顔に特化して探し出すものもあります。
文書を対象とした方法の場合、1億ページという小規模の図書館に匹敵する量の文書画像とのマッチングが0.1秒でできます。顔を対象とした方法は、1000枚の顔画像とのマッチングが1秒でできます。この技術を、指名手配犯の顔写真と、街中の監視カメラとの照合に用いて、警察の捜査支援に使うことが研究されています。

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先生情報 / 大学情報

大阪公立大学 工学部 情報工学科 准教授 岩村 雅一 先生

大阪公立大学 工学部 情報工学科 准教授 岩村 雅一 先生

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情報工学

メッセージ

画像、文字、顔などの認識は、人には簡単なのに、機械には簡単ではありません。人ができるのだから、機械にも人と同じ方法で認識させればいいと思うかもしれませんが、誰も自分がどうやって認識しているのかを知らないのです。ここにこの問題のおもしろさがあります。認識の確かさではまだまだ機械は人に及びませんが、大量・高速な処理においては人の能力を大きく上回っています。機械の性能を上げることも重要ですが、人と機械の長所をうまく組み合わせることで、私たちの暮らしがより便利に豊かになればと思っています。

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2022年4月、大阪市立大学と大阪府立大学が統合し、大阪公立大学が誕生しました。大阪市立大学、大阪府立大学は共に約140年の歴史ある大学であり、水都として交通の要衝であった大都市大阪とともに発展してまいりました。この地の利を生かし、理論と実際を有機的に結合することにより、両大学は大都市大阪で生活する人々が必要とする精神文化の発展や産業と経済の振興を担う中心機関としての役割を果たしてきました。本学はさらなる異分野を融合・包摂した新たな学問の創造と多様な世界市民の育成を目指します。