アイドルの顔分析から手配写真生成まで AIを使った顔画像研究

アイドルの顔分析から手配写真生成まで AIを使った顔画像研究

自分がアイドルになったら?

自撮り画像の目を大きくしたり、性別を入れ替えた顔にしてみたり、そんなアプリを楽しむ人も増えています。こうしたアプリは、AIにたくさんの顔画像を機械学習させることで開発されます。
AIによる顔画像研究の一環として行われたプロジェクトに、「アイドルの顔画像分析」があります。1980年代~2010年代のアイドル画像を集めて分析したところ、現代のアイドルは80年代よりも幼い顔つきになってきたことがわかりました。また、年代ごとのアイドルの平均顔や、一般人がアイドルになったときの顔を生成することもできました。

捜査にも使われる加齢シミュレーション

警察は、指名手配犯や行方不明者の過去の写真をもとに、AIによる「加齢シミュレーション・システム」で年齢が上がった今の顔を生成して捜査資料としています。
これに関わる研究では、まず日本の幅広い地域から不特定多数の顔画像が大量に集められました。一人の人が老いるまでの数十年分の画像を、何千人分と集めるのは不可能です。そこで、大量の顔画像から、目、骨格など、多数の要素について特徴を数値化して、年齢ごとに「正規分布」を求めました。例えば、ある人の20歳の目の特徴が正規分布のどこにあるか(平均からどの程度ずれているか)がわかれば、100歳になったときに、100歳の正規分布で「同じ位置の特徴を示すだろう」という統計学に基づく考え方です。

科学的根拠のある結果を

顔の表情からその人の感情を推測して、色や香りが人間の感情にどう影響するかを調べる研究もあります。人間の目で気づけない微妙な表情の変化を、AIでは読み取れるのです。
警察の例もそうですが、こうした実用の場面では、AI任せの「なんとなく、それらしい」程度の結果では困ります。現段階ではまだ、AIの出した答えが「正しそうに見えるだけ」ということも多々あります。これからのAIには、「科学的根拠のある」結果を出せる仕組みが求められています。

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先生情報 / 大学情報

明治学院大学 情報数理学部 情報数理学科 教授 永田 毅 先生

明治学院大学 情報数理学部 情報数理学科 教授 永田 毅 先生

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機械学習、顔画像解析、画像生成

メッセージ

高校時代、自分はできるタイプではないとわかっていましたし、どれだけ勉強したらどれくらい実力がつくのか、やってみないとわからないので頑張って勉強しました。また、本当は物理と数学だけ勉強したかったのですが、夢のためには文系科目も必要だと考えて頑張りました。一方で勉強に飽きると、友達と「ラジオ番組をつくる」という趣味に没頭して、ワーワー騒いで、満足したらまた勉強する、といういい循環ができていました。部活でも趣味でも、そういう楽しみがあると勉強もはかどると思います。

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150年以上もの歴史を持つ明治学院大学。本学の起源は、1863年にアメリカ人宣教医師ヘボン博士が開設した英学塾から始まります。無償で診察を行いながら、英和・和英辞典を編纂し、ヘボン式ローマ字でも有名なヘボン博士。その信念「Do for Others」を教育理念とし、本学ではグローバル社会に対応できる学術知識と教養を培い、他者とともに道を切り開ける人材を育成しています。