画像加工で美顔と美肌を手に入れる「デジタルエステ」

画像加工で美顔と美肌を手に入れる「デジタルエステ」

正確であればいいわけではない!

従来、コンピュータの使命の一つは、入力したデータどおりに情報を正確に画面に映し出すことでした。
ところが、人の顔などのデジタル画像は、データどおりでは必要以上にアラが目立ち、がっかりしてしまうことが珍しくありません。細部を再現するディスプレイ技術も発達しているので、正確に映し出すと、普通では見えないシワやシミまではっきり見えてしまいます。正確であればいいというわけではないのです。

人間を意識した画像処理とは

人の顔を画面に映し出すときは、本人であることがわかる前提で、ある程度の美顔化・美肌化を行うこと(=デジタルエステ)が必要です。さまざまな方法が研究されており、複数のシステムを組み合わせることで、精度の高い画像処理ができるようになってきています。
例えば、顔画像から微細なシミやシワを取り除くときは、それを映し出している高周波数成分を取り除きます。しかし、それだけでは顔画像全体がぼやけてしまいます。そこで、「イプシロンフィルター」という数理システムを組み合わせます。すると、画像をぼかすことなく、シミやシワだけを除去することができるのです。さらに「フィルターバンク」「輝度強調」「輪郭強調」などの方法を組み合わせると、より自然で美しい画像ができます。これらはすべて数式で処理することが可能です。

それぞれの主観も反映させる

ここで問題になるのが、「よりよい画像」には主観的要素が強いということです。そこで、使う人の主観を反映する「対話型進化計算」システムを導入する方法があります。これは、画像処理のパラメータ(変数)を、使う人の好みに沿って進化させるプログラムで、遺伝的アルゴリズムを利用し、パターンを学習し、最適化するので、使えば使うほど、それぞれの好みに合った画像処理ができるようになるというものです。このように、現在、単なる数式処理を超え、一人ひとりの人間を意識した情報処理システムの研究・開発が盛んに行われ、製品化も行われています。

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明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授 荒川 薫 先生

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メッセージ

日本は科学技術立国と言われます。でも、与えられた課題をコツコツと解くだけだったり、今ある技術を、これまでと同じ方向で進めていったりするだけでは、新しい展開は望めませんし、ビジネスも成り立ちません。
今、日本に必要なのは「新しい発想力」です。これまでの理系の枠にとどまることなく、社会・自然・文化、そして人間そのものなど広い範囲に目を向け、科学技術の可能性を広い視点で探ることが大切なのです。それができるのが「新しい発想力」にほかなりません。ぜひ、従来の枠にこだわらない学問を心がけてください。

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