折り紙を通じて、数学の世界に触れてみよう
日本で独特の発展を遂げた折り紙文化
子どもの頃に、一枚の紙を折って飛行機や鶴などを作って遊んだ経験のある人は、きっと多いことでしょう。折り紙は、その正確な起源は定かではありませんが、特に日本において独特の発展を遂げた伝統的な文化です。海外でも、「origami」という単語でその意味が通じるほど、日本の折り紙の文化は世界中に認知されています。
折り紙を通じて数学の世界に触れてみる
一枚の紙を折ることでさまざまな形を生み出す折り紙は、その幾何学的な性質から、数学の研究対象になっています。例えば、一枚の紙の中で好きな場所に点を打ち、一つの辺がその点に重なるようにいろいろな角度から何度も折っていくと、その折り目は放物線を描きます。また、円形に切った紙に任意の場所に点を打ち、その点に紙の端が重なるようにいろいろな角度から折っていくと、その折り目はだ円を描きます。それはいったいなぜなのかを考えていくことで、数学の世界へと自然につながっていきます。
自分自身で紙を折りながら考えていくことで数学を実体験し、その一端を理解することができるのです。
さまざまな楽しみ方と可能性を秘めた折り紙
折り紙の研究で博士号を取った阿南工業高等専門学校の川崎敏和教授は、「川崎ローズ」と呼ばれる美しい折り紙のバラの考案者として知られています。また、藤本修三氏は「フジモト・キューブ」と呼ばれる洗練された立方体の折り紙の考案者です。こうした折り紙の研究者によって名付けられた作品は、日本だけでなく、世界各国でも注目されています。
身近にある一枚の紙でさまざまな楽しみ方をすることができて、数学の研究に通じる部分も持ち合わせている折り紙には、私たちのまだ知らない可能性が秘められているのかもしれません。
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