すべてのニーズに応える、新時代のコンクリートを生み出す
コンクリートは発展途上の建築材料
「コンクリート」は、あらゆる建築物に使用される材料です。RC(鉄筋コンクリート)造の建築物はもちろん、純和風の木造住宅でも、基礎部分にはコンクリートが用いられています。
それほど身近で、幅広い用途で使われているコンクリートですが、実は、まだまだ改良の余地が残されている素材なのです。「強度が高くて」「ひび割れしにくく」「耐久性があって」「環境負荷も低い」理想のコンクリートを、従来通りの価格で供給するのは、難しいことですが、今なお求められていることです。
混ぜるものによって、特性が変化
コンクリートは、セメントに砂や水を混ぜ、化学反応によって硬化させたものです。砂や水の量を変えるだけでも特性が変わりますが、さらに石炭の燃えカスである「フライアッシュ」や、コンクリート廃材から作られる「再生骨材」を混合することで、強度や耐久性、建設現場での扱いやすさなどが変化します。
セメントの製造時に大量の二酸化炭素が排出されるため、近年ではフライアッシュや高炉スラグ微粉末などを積極的に混合し、セメントの量を減らしても強度が落ちないようにする研究も進められています。
建物の目的によって異なる「適材適所」
多くの公共施設や高層マンションは、コンクリートを多用するRC造で建てられています。これは、コンクリートならではの遮音性や堅牢感が、建築物の用途にマッチしているからです。一方、オフィスビルの多くは、業績や業態の変化に合わせて増改築しやすいように、鉄骨造で建てられています。鉄骨造は鉄骨をネジでつないで躯体が構成されるため、増改築さらには解体が容易という特徴を持っています。ほかの材料と同様にコンクリートにも適材適所が求められます。どの部分にどれくらいの量のコンクリートを使用するかは、建築物の使用目的やデザインによっても異なるわけです。
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