交通事故が激減! 社会のインフラを支える道路舗装の研究
社会のインフラを支える道路の舗装
自動車が走りやすく舗装された道路は現代社会に欠かせないインフラです。昭和の時代には、都会でも舗装されていない道路が多く、人々は土ぼこりやぬかるみ、水たまりに悩まされてきました。また舗装されていても質が悪く、割れたり凹んだりしやすいものでした。舗装の良くない道路は、車が走りづらく、渋滞や事故を引き起こす原因にもなるので、改良が続けられています。実は舗装専門の会社の数は、建設会社の数よりも多く、大勢の人が舗装の仕事に携わっています。
舗装材料を変えることで交通事故が激減!
雨の日と夜の交通事故発生率は、晴れた昼間の何倍にもなります。1980年代以降の交通事故が多発して「第二次交通戦争」と呼ばれた時代、雨天と夜間に事故が起こりやすい場所で、注意書きの看板をつけるなどの対策を施しても効果が見られませんでした。その時、劇的に交通事故を減らしたのが舗装の技術だったのです。
道路の舗装にはアスファルトに石と砂を混ぜたものが主に使われます。普通の舗装では水が入らないようにしていますが、石と砂の配合を変え、あえて隙間を作り、雨水を通す材料を作りました。この材料で舗装し直したところ、水たまりを走ることで生じる水しぶきや、ぬれた路面での光の反射が起こらなくなり、ブレーキもよく利くようになりました。これにより、交通事故の件数が8割も減ったのです。
より良い社会実現のために
現在も舗装材料の開発は続けられており、近年は耐久性を高めるためにゴムの原料をミックスする方法が採られています。また、アスファルトは石油由来の原料なので、植物由来の舗装材料への転換といった、革新的な技術も求められています。舗装の研究では、既存の道路のメンテナンスも重要な課題の一つです。傷んだところを簡単に見つけ、補修するための仕組みも検討されています。
舗装の研究は、実社会に直接結びついており、不特定多数の人々の生活をより良いものにすることにつながるのです。
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先生情報 / 大学情報
金沢工業大学 工学部 環境土木工学科 教授 髙橋 茂樹 先生
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