スポーツビジネスを成功させる鍵とは?
球団運営も工場経営も「ビジネス」
野球の球団やサッカーのクラブチームの運営も、工場の経営も、「商品を提供し、その対価をもらう」という意味では、違いはありません。スポーツビジネスも一般の企業も「経営」という観点では同じなのです。では、企業とスポーツビジネスでは何が違うのでしょうか?
「強い」=「儲かる」ではない?
スポーツビジネスの目的は、2つあります。1つは「勝つこと」、そしてもう1つは「利益を上げること」です。この両方を兼ね備えることが、スポーツビジネスには欠かせません。「強いチームならお客さんを呼べ、利益も上げられる」と考えがちですが、そうとも限りません。
例えば、プロ野球では、ずっと優勝できなかったにもかかわらず、ホームグラウンドはいつも満員という球団もあれば、優勝の常連だったにもかかわらず、ホームグラウンドには、いつも空席が目立つという球団もあります。つまり、「勝つこと」=「利益が出る」のではなく、この両方の目標を達成するために、何が必要かを考えることがスポーツビジネスのマネジメントなのです。
勝利の感動をビジネスにつなげる
スポーツビジネスのもう1つの特徴は、「感動を売るビジネス」だということです。したがって、感動が最高になるタイミングに合わせて商品やサービスを売る仕組みを作ることが肝心です。例えば、プロ野球で優勝した球団の選手がビールかけをする時、選手はお揃いのTシャツを着ています。優勝の感動を共有したいファンは、同じTシャツを着たいと思うでしょう。そのニーズに応えるためには、優勝が決まったその日に合わせてTシャツを販売できる態勢を整えておく必要があります。同様に、優勝の興奮がさめやらないうちに翌年のシーズンシートの販売を始めることも必要です。つまり、優勝が決まった瞬間から、間、髪を容(い)れずに関連商品の販売ができる仕掛けをあらかじめ作っておくことが重要であり、それを考えるのが、スポーツビジネスのマーケティングなのです。
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