人の心を動かす広告を作るには? 「バズり」のコツを分析する

広告が人の心を動かす理由
爆発的に話題になった「バズる」広告を分析すると、広告にはさまざまな仕掛けがあることがわかります。例えばある制汗剤の場合、この商品は人気が低迷する時期があったものの、2015年から急激に売上を伸ばしました。商品を値下げしたわけでもなく、画期的な技術革新があったわけでもありません。リニューアルに伴い、広告でイメージを変化させたことが成功につながったのです。
肌ケア用品が恋のアイテムに?
この制汗剤は、発売当初は家庭向けに販売され、さまざまな肌トラブルに対処できる消毒薬として売れていました。時代の流行を取り入れながら何度か商品イメージや用途を変えましたが、2000年代は売上が伸び悩みます。そこで2010年代にターゲットを女子中高生に変えて、部活や青春における汗対策グッズとして売り出しました。特に2015年に、旬のタレントを広告に起用し、「好きな人と制汗剤のキャップ交換をすると恋の願いがかなう」というストーリーを展開したところ、SNSで話題になりました。商品のカラーバリエーションを増やしたことも、キャップの交換が流行った要因です。CMの内容を膨らませたドラマ仕立てのサブストーリーをYouTubeで公開し、インターネットが身近な中高生の関心を集めました。その結果、キャップ交換をまねする人が増えて、商品がヒットしたのです。
成功事例に潜む「バズり」のヒント
現代はものがあふれているため、商品の特徴で差別化を図ることが難しくなっています。こうした時代に売上を伸ばすには、広告などのメディアを活用してブランドのイメージを作り、消費者から関心を集めることが重要です。制汗剤の広告の例では、ターゲット層を柔軟に変えて新たな顧客を獲得する、ターゲットが親しんでいる媒体や題材を選ぶ、などの戦略が取られました。この手法をうまく取り入れれば、消費者の心を動かす広告が作れるかもしれません。誰もが参考にできる「バズる広告の作り方」を解明して、その効果を検証しようという試みが続いています。
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桜美林大学ビジネスマネジメント学群 准教授西山 守 先生
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