患者さんを支える看護のエキスパートの力
総合看護の視点が求められる
「がん」と聞くと「怖い」というイメージがあるかもしれませんが、現代では身近な病気で、どんな年齢の人も「がん」になる可能性はあります。また、がんで手術をする場合は「急性期の病気」だと言えますが、病状の様子を見ているとき、再発などで入退院を繰り返しているときは「慢性期の病気」の性質も持っています。治療や療養をするところも病院の病棟での治療や外来治療、在宅での療養など、状況によって場所が違います。長い期間にわたるがんの治療や療養生活に対応するためには看護師はいろいろな専門的知識と技術を組み合わせ総合的な視点を持って、患者さん一人ひとりの心と体に向きあうことが大切です。
専門看護師とは?
看護師は全国で約154万人いますが、その中にはがん看護のスペシャリストの専門看護師もいます。そのほかにも、小児看護、精神看護、家族支援など、13の分野に専門看護師がいます。こうした専門看護師の制度は看護師として5年間、自分の深めたい専門領域で臨床経験を積んだあと、認定されている大学院で2年間学び、試験に合格して得られる資格で、全国でもまだ1883人(2016年12月現在)です。専門看護師は、対応の難しい課題を解決に導くスペシャリストとして全国各地で活躍しています。
活躍の場が広がる看護師
看護師は、国家試験に合格するために幅広い知識と技術をまず得ることが求められますが、医療現場に出てからは、より専門的で深い知識と技術が必要とされます。現在がん医療はチームで行います。医師だけが頑張るのではなく、看護師、薬剤師、栄養士などが力を合わせて患者さんと家族を支えていきます。がん看護専門看護師は、そのチームでがん看護のエキスパートとしての役割が期待されることになります。
看護師の活動の場は世界中に拡がっています。施設や訪問看護ステーション、学校、保育園など、あらゆるところで社会の役に立っています。看護師は、その活躍の場が拡がるとともに、より高い専門性も今後も期待されていくでしょう。
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先生情報 / 大学情報
高知県立大学 看護学部 看護学科 教授 藤田 佐和 先生
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