認知症高齢者へのケアの知識・技術をアプリで学ぶ
初期の段階で治療を開始すべき
何度も同じことを言ったり、伝えたことを忘れたり、誰でも年齢とともに、「物忘れ」は起こり得るものです。物忘れのなかでも、病気による症状としての物忘れがあり、その1つが認知症です。認知症は、さまざまな原因で脳の神経細胞が衰えるために起こります。進行すると、日常生活に支障を来し、家族とコミュニケーションがうまくいかなくなることがあります。また、「認知症かも」と疑っていても、診断されることを本人が嫌がるケースもあります。進行すると徐々に他者の手助けが必要になります。初期の段階で専門医を受診し、治療を始めることが大切です。
画面にタッチするだけで学べる
本人も家族も不安を抱えてはいるけれど、どこに何を相談したらいいのかわからないというときのために、家族がどうすべきかを学ぶための教材アプリの開発が進められています。
全く知識のない人は、どういう介護サービスがあるのかさえ知りません。そこで、教材アプリでは(1)コミュニケーションのポイント、(2)何度も同じことを言う場合などの困ったときの対応方法、(3)介護保険で受けられるサービス内容の理解、(4)家族自身のケアという4つの観点を看護の視点から学ぶことができます。パソコンなどを使えない高齢者も、タブレットの画面にタッチするだけで、必要な知識や技術が学べる内容となっています。
気持ちに寄り添うことで不安を和らげる
家族は認知症の人の世界や心のありようを知ることが大切です。例えば、認知症の女性が亡くなった「夫に会いたい」と訴える場合、そんなことはできないなどと、頭ごなしに否定してはいけません。「なぜ夫に会いたいのか」「なぜ夫を必要としているのか」という思いを聞く必要があります。気持ちに寄り添うことで不安を和らげることができます。
家族にとってこのような知識は、講習会などに参加して誰かから指導を受けるだけでなく、タブレットを使えば必要に迫られたときに、いつでもどこでも自発的に学び、知識を得ることができます。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
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先生情報 / 大学情報
富山県立大学 看護学部 看護学科 講師 青栁 寿弥 先生
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