日本の医療を支える「管理栄養士」

日本の医療を支える「管理栄養士」

チームで患者さんの栄養状態をサポート

あなたは、栄養サポートチーム(NST)を知っていますか? NSTは、医師、管理栄養士、看護師、薬剤師、理学療法士などが、それぞれの専門知識や技術を持ち寄って、患者さんの栄養サポートを行うチームです。病気を治療するときに、栄養状態がきちんと管理されていなければ、思うような効果はあがりません。NSTの働きにより、治療にとって適切な栄養管理がいかに大切であるかが、医療現場で認められるようになりました。それにつれて、管理栄養士の重要性も、理解されるようになってきています。

管理栄養士になるために

だからこそ、管理栄養士は、病態を科学的にきちんと理解した上で、患者さんに適切な栄養管理を行う力が強く求められるようになってきています。また、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防や、病状の進行を防ぐ上で、管理栄養士の役割が重要視されています。
基礎栄養学は、栄養素が体内にどのように取り込まれ代謝されるのかを学ぶ、管理栄養士にとって根幹となる学問です。その土台となるのが化学、生物学です。基礎栄養学や医学などを学んだ後に、乳幼児から高齢者までライフステージに沿った栄養管理を行うための応用栄養学や、臨床栄養学、公衆栄養学などの実践的な学問を学んでいきます。一つひとつ積み重ねていくことで、科学的な根拠に基づいて、病態に合わせた適切な栄養管理や個人に合わせた支援、教育を実践する力を養っていくのです。

栄養学を専門的に学ぶ意義

いま社会には、栄養に関する膨大な情報が溢れています。大学で専門的に栄養学を学ぶということは、知識や技術を修得するばかりでなく、日々進歩するこの分野においてどのように正しい情報を収集し、考えればよいのかを身につけることでもあります。
栄養学はサイエンスです。生命の巧妙な仕組みと魅力を探究したい人にも向いています。保健や医療、学校、食品開発など現場の課題を見つけ、研究で得た科学的な知見を還元していくことが、今後の栄養学の発展のために重要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

高知県立大学 健康栄養学部 健康栄養学科 准教授 鈴木 麻希子 先生

高知県立大学 健康栄養学部 健康栄養学科 准教授 鈴木 麻希子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

栄養学

先生が目指すSDGs

メッセージ

管理栄養士といえば、病院で患者さんに適切な食事を提供したり、栄養相談を行ったりするイメージが強いかもしれません。しかし、それらを行うためには、患者さんの病気に対する正しい理解が不可欠です。患者さんの病態には複雑な要因が重なっているため、理解するには、栄養学のみならず医学やその土台となる化学と生物学の知識も必要になります。日進月歩する分野で、管理栄養士は、これからの日本の医療を支える重要な役割を担います。あなたも大きな夢を持って、ぜひ管理栄養士をめざしてください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?

高知県立大学に関心を持ったあなたは

高知県立大学は、文化学部、看護学部、社会福祉学部、健康栄養学部の4学部で構成しています。高知県は全国と比較して、高齢化で10年、人口減少で15年も先行しています。少子高齢化社会や南海トラフ地震対策など山積する課題を乗り越えて、未来の社会をどう形成するかに、学生と教職員は真剣に取り組んでいます。全学生が地域で活動し、地域の人々とともに学びあう教育に力を入れており、卒業後には、学部で身につけた専門知識を生かして地域で活躍できる人材となることをめざしています。