コンビニの優れた物流システムを海外進出に生かす
コンビニはものを売るだけではない
近年、さまざまな業種の日本企業が、アジアに進出しています。コンビニもそのひとつです。コンビニは、商品を仕入れて消費者に販売する「小売業」と思われがちですが、それだけではありません。地域ごとに物流センターがあり、各店舗から販売された商品の情報がリアルタイムで送られてきます。それをもとに、メーカーから必要な商品を必要な量だけ調達し、それを各店舗に配送します。企業が戦略的に行うこのようなものの流れを「ロジスティクス」と言いますが、日本のコンビニは、このロジスティクスにおいて優れた仕組みを持つ「物流業」でもあるのです。
「コールドチェーン」はアジアに根付くのか
また日本のコンビニの場合、優れたロジスティクスを生かし、冷凍、チルド、冷蔵と商品の細かい温度管理を行って、冷たいものは冷たいまま輸送するのが当たり前になっています。この低温で商品を流通させる「コールドチェーン」という仕組みの導入が今、アジア各国でも進められています。この仕組みは、配送時の拠点すべてにおいて適切な温度管理をしなければ実現できません。地域によるインフラの違いや、現地の人の気質によってどのような管理が望ましいのか、課題はありますが、現地に根付かせることができれば日本のコンビニは海外でさらなる躍進をするでしょう。
違いを知り、「強み」を生かす
進出先の国や地域の特性を把握して、ビジネスに生かす学問が「国際産業立地論」です。日本企業にとって、海外はアウェーの土地です。グローバル化が進む現代、海外進出を考えるときには、国や地域の地理的な特色に加え、その土地の文化や習慣、制度の違いを知らないと、ビジネスは成り立ちません。それを踏まえた上で、日本企業独自の「強み」をどのように発揮するかが海外進出の大きなポイントになるのです。
国際産業立地論では、強みを生かすために企業が行うさまざまな工夫を見つけ、問題解決のための理論を構築するところに面白さがあります。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
大阪公立大学 商学部 公共経営学科 教授 鈴木 洋太郎 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
国際産業立地論先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?