さまざまなオークションを可能にするゲーム理論
オークションの価格設定にも使われるゲーム理論
ゲーム理論とは、将棋や囲碁のように相手と自分の意思決定が相互に作用する状況を研究する理論です。ゲーム理論が使われる分野は、ビジネスや政治から生物の進化の説明までさまざまですが、オークションでの販売方法や価格決定の過程を理論化するためにも使われています。
希望額で入札できるセカンドプライスオークション
オークションには、入札価格が公開されている公開オークションと、非公開の封印オークションがあります。
封印オークションには、一番高い値段を示した人が、その値段で落札できるファーストプライスオークションのほかに、一番高い値段を示した人が、二番目に高い入札価格で落札できるセカンドプライスオークションというものがあります。このセカンドプライスオークションは、ゲーム理論に基づいて設計された入札方法です。
セカンドプライスオークションでは、例えば、ある商品に対する自分の評価額が5000円で、その時の自分以外の入札額の最高額がa円だった場合、a円が5000円より大きければ、5000円以上払うことになるため、落札しない方が得です。一方、a円が5000円より小さければ、落札した場合、支払い額は5000円より小さくなるため、落札した方が得です。自分の入札額は、自分の支払う額ではないのでセカンドプライスオークションでは、自分が妥当だと思う価格5000円で入札をすることが、一番よい入札になるのです。
ゲーム理論で複雑な販売方法を可能に
このほか、複雑な販売方法での価格設定にもゲーム理論が使われています。例えば、コンサートチケットは、2枚セットで買いたいという人もいれば、1枚だけ欲しいという人もいます。そうしたいろいろなパターンの買い方ができるオークションの仕組みもゲーム理論に基づいて設計されており、アメリカでは、電波の使用権や電力の公共入札などでも活用されています。
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