コンビニで増殖中の「プライベートブランド」商品って何?
プライベートブランド商品が増殖中!
コンビニには、メーカーが作るナショナルブランド商品(NB商品)のほかに、「セブンプレミアム」「ファミリーマートコレクション」「ローソンセレクト」など、自社が作るプライベートブランド商品(PB商品)が並んでいます。スーパーやコンビニなどにとって、PB商品はNB商品よりも魅力的です。広告宣伝費がかからず、製造や仕入れコストが安く、ライバルチェーンでは売っていないので価格競争に巻き込まれにくいなどが理由です。
安かろう悪かろうから、高品質でお得な商品へ
日本では、PB商品は1960年代に登場しました。特に注目を集めるようになったのは、1990年代後半から2000年代初めにかけてで、景気の低迷やデフレの進行などが背景にあると考えられています。当初、PB商品のイメージは、「安くてお得だけど、品質は落ちる」というものでした。あまり聞いたことがない会社が作っているケースが多かったせいかもしれません。しかし、近年、コンビニで販売されるPB商品には、業界のトップメーカーが製造するケースも増え、品質も格段に向上しました。理由には、コンビニの市場規模や店舗数が拡大し、コンビニの地位や発言力が高まってきたことが挙げられます。本来、大手メーカーは、自社ブランドを売りたいのですが、コンビニというドル箱の販路を失いたくないので、多少もうけが少なくてもPB商品の製造を引き受けてコンビニに商品を並べたいというのが本音でしょう。
今後も増え続けるPB商品
イギリスを中心に店舗を持つ総合小売チェーン、マークス&スペンサーは、商品のほぼすべてが自社のPB商品で占められています。日本にこうした形式のスーパーやコンビニが登場するかどうかはわかりませんが、今後も各社ともPB商品に力を入れる流れは変わらないと思われます。
いまやコンビニをはじめとする小売業各社は、どこの店でも販売されるNB商品に頼るのではなく、自らが開発したPB商品によって、ライバル他社との差別化を一層進めようとしているのです。
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拓殖大学 商学部 経営学科 教授 堂野崎 衛 先生
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