きゃりーぱみゅぱみゅに見る映像技術の進化

きゃりーぱみゅぱみゅに見る映像技術の進化

映像技術の進化が多彩な表現を可能にした

ひと昔前まで、屋外で大きな映像を映すには野球のスタジアムにある電光掲示板のように大がかりな仕組みが必要でした。しかし2000年代に入りプロジェクタが進化すると明るく大きな映像が簡単に映せるようになり、建物に映像を投射するプロジェクションマッピングも行えるようになりました。少しコストはかかりますが、より汎用性が高いのがLEDパネルです。通常はテレビ番組で大型モニターのような使われ方をしていますが、パネルは組み合わせ次第で曲面も作れることから、平面で映し出す以外にもさまざまな表現ができるのです。

プロジェクタを使いライブを演出

映像技術の進化が最も顕著に表れるのがエンターテインメント業界です。きゃりーぱみゅぱみゅがプロジェクションマッピングを取り入れたり、あるいはボーカロイドの初音ミクが現実のステージに登場するなど、近年のライブでは映像技術を利用した画期的な演出が行われています。こうしたことはメジャーなアーティストだけにとどまらず、インディーズの場でもプロジェクタを使った演出が行われるなど、裾野は広がっています。ほかにもWebやフライヤーなど、セルフプロデュースでできることが増え、アーティストにとってはより幅広いプロモーションが行えるようになってきました。

技術よりアイデアで勝負する時代

今やプラネタリウムもプロジェクタで星を映し、街にはデジタルサイネージがあふれるなど、空間を作るのに先端の映像技術が欠かせなくなりました。言い換えれば、もはやこれらの技術に目新しさはありません。いずれプロジェクションマッピングも廃れていくでしょう。
技術は日進月歩で、どんどん変わっていきます。そうした中、デザインに携わる者に必要なのは最新技術を覚えるために四苦八苦する時間ではなく、それを使ってどんなコンテンツが作れるかを考える、「アイデア」の部分なのです。

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宝塚大学 東京メディア芸術学部 メディア芸術学科 メディアデザイン分野 教授 渡邉 哲意 先生

宝塚大学 東京メディア芸術学部 メディア芸術学科 メディアデザイン分野 教授 渡邉 哲意 先生

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情報デザイン学

メッセージ

「デザイン」というと、どうしても美術のイメージがあります。しかし今や空間の演出や物の置き方、照明に至るまでがデザインの分野です。そうした中、大事なのはただ絵が上手に描けることではありません。必要なのは「人を楽しませるものを作りたいという気持ち」と、そのために「目の前にあるものをどう使うかという発想力」です。その力を磨くには世の中の変化に目を凝らし、実際に触れてみてください。一見関係ないと思われるようなことでも、さまざまな経験はきっとデザインの仕事をする上で必ず役に立つはずです。

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