「変わらないもの」を描き、愛され続けるシェイクスピア作品
400年以上たっても色あせない作品の魅力
あなたは、イギリスの劇作家、シェイクスピアを知っていますか? 16世紀後半~17世紀初頭にかけて活躍したシェイクスピアは、現在でも「世界最高の劇作家」と評価されており、彼の37作の戯曲は、いずれも世界各地で上演され続けています。400年以上たっても、シェイクスピアの作品が古さを感じさせず、高い評価を受け続ける最大の理由は、人間の「普遍的な心理」を描き切っている点だと言えるでしょう。
日本でも制作された「ロミオとジュリエットもの」
特に有名なシェイクスピア作品の1つとして、『ロミオとジュリエット』が挙げられます。もしもあなたが、演劇に全く興味がなかったとしても、この作品の魅力は間接的に知っているかもしれません。作品そのものが、さまざまな国でオペラ、映画、テレビドラマとして公演・放映されているばかりでなく、ストーリーを現代版にアレンジしたり、物語の背景をその国独自の設定に変えた映画やドラマが、多数制作されているからです。
日本でも、人気俳優やアイドルを主人公に起用した、「ロミオとジュリエットもの」と呼ぶべき複数の作品が発表されています。時代や国が違っても変わらない、人間の内面を描写した作品だからこそ、いつの時代、どこの国でもアレンジでき、見る人の心を揺さぶるのです。
作品を通じて、「時代」を知る
アレンジ版やスピンオフ作品を鑑賞するのも楽しいですが、機会があれば本来の演劇の舞台で、シェイクスピア作品の魅力を味わってほしいです。シェイクスピアが活躍したエリザベス朝時代のイングランドで、演劇は最も人気のある娯楽であり、職人の見習いから女王陛下までが、同じ劇場で同じ作品を楽しんでいました。そのため、その時代の人々の内なる願望や理想、暮らしぶりや風習、社会情勢などが、作品の随所に描き込まれています。作品を通じて、それが書かれた時代背景を知ることが、文学研究の本質であり、醍醐味と言えるでしょう。
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