政治をよくするためには、何をすべきなのか?
若い人が投票に行かなくなったのはなぜか
投票に行かない若者が増えています。支持政党もなく、無党派層がほとんどです。なぜでしょうか? 高度成長期の日本は、政策によって国民の生活レベルが上がっていきました。政治に参加することは、「当然のこと」だったのです。
しかし、現在は低成長時代で、給与も増えません。年金もきちんともらえるかどうかわからず、政治の成果が見えないのです。しかも、変化を期待しても高齢者が多く、若い人の意見は反映しにくい状況にあります。若い人が政治に興味がなくなり、自分の身を守る方向に走るのはある意味当然なのかもしれません。
政治の変化には時間がかかる
ただ、政治はすぐに成果が出るわけではありません。時間がかかります。これは、世の中にはいろいろな考え方の人がいるからです。現状を守りたい保守的な考えの人もいれば、変革を望む人もいます。例えば、1994年に衆議院の選挙制度が中選挙区制から現在の小選挙区比例代表並立制に変わりました。これは2大政党制をめざす制度です。野党であった民主党が政権を取った時期もありましたが、当時の目標とされたような2大政党制はいまだに実現していません。急激に変化しないことが民主政治の特色でもあるのです。
市民が政治家を育てることが大切
では、政治家はよくなるための努力をしているのでしょうか。政治家に聞けば「もちろん!」と言うでしょう。しかし、若い人はその言葉に納得するほど政治家を知っているのでしょうか? 政治家が不祥事を起こすとワイドショーのネタになります。マスコミに同調して政治家を批判するだけでは政治家は成長しません。
よりよい政治を行うためには、市民が政治家を育てる必要があります。それは、政治家を長い目で見守り、お互い勉強することで実現します。現代の政治課題は、「保守か革新か」という簡単なものではありません。政治家に任せておくだけでは、政治がよくなるわけはないのです。
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広島修道大学 国際コミュニティ学部 地域行政学科 教授 篠原 新 先生
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