社会にあふれる「ビッグデータ」を分析すると、何がわかる?
日々刻々と生み出される膨大なデータ
私たちの身の回りには、膨大な量のデータがあふれています。電車やバスで使うICカードでチェックイン・チェックアウトした時のデータや、人工衛星で位置を割り出すGPSデータ、防犯カメラの記録データなど、その種類は実にさまざまで、しかも日々刻々と生成され続けています。このようなデータを「ビッグデータ」と呼びます。ビッグデータは、2020年には35.2ゼッタバイト(ゼッタは10の21乗)もの量に達すると予測されています。
ビッグデータ分析で得られる新たな可能性
こうしたビッグデータの中に、TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークから生成されるソーシャルデータがあります。10億人以上とも言われる利用者から得られるソーシャルデータは、世の中の人々がどのようなことに関心を持っているのかが、リアルタイムに反映されるのが特徴です。
ビッグデータとソーシャルデータを分析していくと、今までわからなかった現象が明らかになる場合があります。例えば、ある日の夜に突然、特定の駅からの電車の利用者が激増して混雑しているという交通データが得られた時、同時刻のソーシャルデータを分析すると、その駅の近くのホールでアイドルグループのコンサートがあったことがわかり、それが混雑の原因と結びつく、といったものです。こうしたビッグデータをひもとく「統合分析」を積み重ねていくと、私たちの社会の産業構造を変えるような、新しい知見が得られる可能性があります。
データとのつきあい方を学んでいく
ビッグデータを扱う際に気をつけなければならないのは、個人のプライバシーに関わるデータが多く含まれているという点です。データを生成する機器やサービスを提供する側は、どのようにしてデータを扱っているのかを明らかにして、説明責任を果たす必要があります。そして私たち自身も、社会にあふれるデータとのつきあい方を学んでいく必要があるのです。
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