講義No.07191 言語学 教育

侮るなかれ、中学英語こそ「話せる英語」への近道だ!

侮るなかれ、中学英語こそ「話せる英語」への近道だ!

中学英語で、大学入試が突破できる!?

アルク教育総合研究所の発表(2015年2月)によると、22大学(東大などを含む国公立大学9校と、早稲田・慶應を含む私立大学13校)の英語の入試問題は、「分析対象の大学入試全体において、89%が中学レベルの文法知識で解答可能」だということです。
ただし、出てくる英単語の意味と用法をすべて理解できていることが条件です。それでも、中学校で学ぶ英文法がいかに重要かを示しています。

ネイティブの感覚を身につける

しかし、中学時代に英文法をみっちり勉強した人でも、日本人の多くは英語が苦手です。それは、ネイティブ(英語を母語とする人)の感覚を教わることがほとんどないために、うまく使い切れていないのです。例えば、「I go to school.」という文を考えてみましょう。注目すべきは、goが現在形であることと、schoolに冠詞(aやthe)がついていないことです。現在形は、現在を含む、過去、未来にまで及ぶ広い範囲を表します。だから習慣の意味があるとよく言われるのです。また、冠詞がないことで、schoolは「学校」という具体的な場所や建物のことではなく、もっと抽象化した「学校のなかで行われているさまざまな活動」を表します。そこからこの文は「私は学生です」という意味になるのです。

「in」と「on」の感覚の違いを知る

inやonなどの前置詞も、日本人が不得手とするところです。例えば、車に乗る場合は「get in the car」とinを使いますが、バスや電車、飛行機のときは「get on the bus」などとonになります。それは、inには「体を縮めて乗り込む、空間に入り込む」という感覚があるのに対し、バスや電車や飛行機は、身をかがめるというより「足をそれらの乗り物の床に接触させる」という感覚が強く働くからです。onには「触れる、接する」という意味合いがあるのです。
中学校で習った英文法に、ネイティブの感覚を吹き込むことによって、英語運用力は格段に上がります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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東洋英和女学院大学 国際社会学部 国際社会学科 教授 高橋 基治 先生

東洋英和女学院大学 国際社会学部 国際社会学科 教授 高橋 基治 先生

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英語教育、応用言語学、言語学

メッセージ

日本人の中で、常に英語が必要な人と、たまに英語が必要な人を合わせた割合は、1割ほどと言われています。つまり、日本人の9割は、英語ができなくても、日常生活で不自由を感じることはないのです。
でも、英語が使えることで、人生の質は間違いなく上がります。思考の幅が広がるだけでなく、職業の選択肢も増えるからです。英語が上達するためには、とにかく英語に触れている時間を長くすることです。要は日頃から半径1メートル以内に英語を置いておくことが大切です。ぜひ、英語とお友だちになって、豊かな人生にしてみませんか?

先生への質問

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