宇宙研究から新しい物理を見出す

宇宙研究から新しい物理を見出す

宇宙の始まりの謎がわかるかも

宇宙の初期は超高温度・高密度の状態であり、「ビッグバン」の後、宇宙は現在まで膨張しながら冷えていきました。実は、現在も宇宙にはその初期のエネルギーが「宇宙マイクロ波背景放射」という形で漂っていて、観測することができるのです。また、宇宙のメカニズムを解き明かすカギとして注目されているのが、ビッグバンを引き起こした「インフレーション」と呼ばれる加速膨張です。この宇宙初期のインフレーションの過程で、すべての物質の“源”が作られたと考えられています。観測技術の進歩は目覚ましく、近い将来、インフレーションの仕組みがかなりわかってくるのではと期待されています。

宇宙の研究から物理法則を見出す

宇宙について研究する目的のひとつに、新しい物理法則を見出すことがあります。宇宙には人類の常識を超える現象が多く、現在正しいと考えられているニュートン力学や相対性理論を凌駕(りょうが)するより一般的な理論が見つかるかもしれません。仮に新しい物理法則がわかったとしても、すぐには使いこなせないでしょう。しかし例えば電気のように、最初は何に使えるかわからなかったものが、生活に欠かせないものになる可能性はあります。未来の人類の生活を劇的に変えるような発見が宇宙に眠っているかもしれないのです。

正しく伝えるのも研究者の役目

宇宙に興味のある人はたくさんいますが、解明されていないことも多いため、正しく理解されていないことがよくあります。しかし、もし子どもたちにうまく宇宙のことを話すことができれば、それをきっかけに理科への興味が育まれ、優秀な研究者を生み出すかもしれません。
また現代科学の実験や観測には多くのお金が費やされることもありますから、一般の人にいかに理解してもらうかも研究を左右することでしょう。難しい内容をどう噛み砕いて説明するかも、宇宙を研究するために必要な能力だと言えます。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

都留文科大学 教養学部 学校教育学科 教授 平野 耕一 先生

都留文科大学 教養学部 学校教育学科 教授 平野 耕一 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

宇宙物理学、素粒子論

メッセージ

何気なく生きていても、すべての人は物理学の恩恵を受けています。難しく思える宇宙の研究も、実はその延長線上にあるのです。まだ解明されていないことも多い分野ではありますが、その分、やりがいもあるでしょう。大事なのは好きという気持ちです。特に物理学が好きな人であれば、新しい物理法則を求めることに魅力を感じるはずです。また教師を志す人も、子どもたちの理科への気持ちを駆り立てるのに宇宙の知識が役立つことでしょう。

先生への質問

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都留文科大学に関心を持ったあなたは

都留文科大学は、教員養成の大学として知られており、これまでに1万人以上の教員が全国の教育界で活躍しております。近年では企業・自治体への就職者も多く、優秀な人材を全国に輩出しております。2017年には、国際バカロレアを研究する「国際教育学科」を開設し、また、2018年には初等教育学科を従来の教員免許に加えて中学校数学・理科の免許も取得可能な「学校教育学科」に、社会学科を地域で活躍できるグローバルな人材を養成する「地域社会学科」に改編し、2学部6学科となり新たな歩みを始めました。