超入門・韓国語~ハングルのなりたちから文化交流へ~
母音と子音で構成される合理的な文字
ハングルは、母音と子音の組み合わせで構成される非常に合理的な文字です。
母音は、中国の古代思想にある、世界を構成する3要素「天地人」の概念をあてはめていると言われ、人を縦棒「|」、地を横棒「_」、天を点「・」と表記します。これらの単体・組み合わせによる10種が基本的な母音で、例えば「あ」は、縦棒と点を組み合わせたカタカナの「ト」に似た形です。
一方、子音は基本14個で、原理は発音する時の器官の形を模しているという説が有力です。例えば、「K」は、発音をする時に舌の根が口内の天井につく形をすることを模したカタカナの「フ」のような形で、母音「あ」と合わせると、「か」という文字になります。
漢字の不便さ解消のために生まれた独自の文字
かつて日本や中国周辺のアジア諸国は、中国の大きな影響を受け、支配者層の使う文字は漢字が中心でした。日本では「万葉がな」のように、自分たちの言葉を表すために漢字の音を借用した当て字が使われるなどの不便さを抱えていました。15世紀当時の朝鮮半島では、そうした不便さを解消するために朝鮮王朝が、学者に独自の新たな文字であるハングルを作らせたのです。
ハングルは原理と関連づけると文字の形を覚えるのが容易であることや、基本の母音・子音を組み合わせるという合理性、また、主語、述語の語順が日本語とほぼ同じということからも、日本人にはとても学びやすい言語です。
文化交流が相互理解につながる
今、韓国の文化はテレビドラマや音楽などを通じて日本でも親しまれています。好きになるとやはり言葉が気になるでしょう。好きなK-POPアイドルが韓国語で歌っているのを格好いいと感じ、映像も字幕なしでわかりたいと思うなど、文化的な側面を入り口に興味を持つことから始まる文化交流が、相互理解へとつながっていくのです。
気になるK-POPアイドル、例えば少女時代のメンバーの名前をハングルで書いてみることも、文化交流の第一歩になるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
桃山学院大学 国際教養学部 英語・国際文化学科 教授 青野 正明 先生
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