テクノロジーとデータを使って強い選手になる
スポーツ現場に導入されるテクノロジー
ラグビーワールドカップの試合で、選手のユニフォームの背中が、四角く膨らんでいることに気づいた人は多かったと思います。メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、投球練習では前腕に黒いバンドを巻いています。どちらも中には小型のセンサが仕込まれています。ラグビーやサッカーなどでは人工衛星を使った測位システムを応用したものを選手の背中に装着し、走速度やスプリント回数、走行距離などを計測しています。大谷選手が使う装置はピッチャー向けに開発されたもので、加速度センサやジャイロセンサのデータから腕の角度や速度、肘にかかる負担などを数値化してくれます。これらのテクノロジーを使うことで、従来は選手や指導者の感覚に頼っていたものが、データを使って判断できるようになりました。
スマートフォンはセンサの塊
今やスポーツにおけるテクノロジーの活用は、プロ選手やトップアスリートだけのものではありません。大学のチームでも多くの取り組みが行われています。
アマチュアスポーツでテクノロジーの活用の鍵となるのはスマートフォンやタブレットかもしれません。これらは高性能カメラや通信機能、高速な演算処理能力を有しており、さらに多種多様なセンサを搭載しています。すでにスマートフォンを使ったスポーツ関連アプリやセンサシステムなどは数多く開発されており、安価に使えるものもあります。開発が進んでいけば、現在はプロ選手だけが使用しているようなテクノロジーを個人や高校のチームでも使うといったことが可能になっていくでしょう。
テクノロジーを味方にする
センサ技術などがどれだけ発達しても、得られたデータから意味を読み取り、最終的に競技に活かすのは選手自身です。テクノロジーを適切に使ってデータを収集・分析し、最大の効果を生み出すトレーニングを実施し、試合に合わせてピークを作る。これからの選手、あるいは指導者にはそのような能力が求められるでしょう。
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先生情報 / 大学情報
鹿屋体育大学 体育学部 スポーツ人文・応用社会科学系 教授 和田 智仁 先生
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