どう教えたら、「国語」を楽しく学べるのだろう?
様変わりした小学校の国語
小学校の国語の授業が、最近大きく変化しました。教えられたことをただ覚えるだけでなく、ポイントを自分で探し、考え、話し合う内容が増えているのです。ほかの科目も指導内容が改定されましたが、国語は特に、言葉や文章を正確に理解する能力、伝え合う能力などの育成が、教育目標として掲げられています。子どもたちが国語を楽しく効果的に学ぶには、どんな授業をすればよいのかを研究するのが「国語教育学」です。
国際水準への遅れを取り戻すために
学校の教育方針を定める「学習指導要領」は、文部科学省によってほぼ10年おきに改定されます。これは、社会全体の変化に対応するためでもあるのですが、先頃実施された改定は、世界規模の学力テストである「PISA」で、日本の成績が予想以上に悪かったことに対応したものだと言われています。
そのため、教科書に掲載される作品などは変化していないものの、題材を読み終わった後、グループやペアで話し合い、テーマによっては討論会なども行う授業内容に変化しています。また、「言葉」に対する関心を深めるために、以前は中学校から始まっていた古文や漢文も、小学校の教科書に採用されました。
教える側に求められる専門性
子どもたち自身に考えさせ、気づかせ、話し合わせる授業に切り替わったのですから、小学校教諭に求められる「国語の教え方」も、大きく変化しました。国語の授業は1時間で完結するものではなく、学ぶ課題が何時間かの「単元」で構成されています。それぞれの課題に合わせ、子どもたちに何を考えさせ、どのように理解させ、話し合わせるかを、教える側も勉強しなければなりません。
クラスの中には、「人前で発言するのが苦手」「自分の考えをまとめるのが不得手」「文章に対する理解度が低い」といった生徒もいるでしょう。「国語教育学」では、それらの子どもも国語に関心を持ち、理解できる教え方や、教材の使い方について、技術・理論の両面から研究を行っているのです。
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先生情報 / 大学情報
広島大学 教育学部 第一類 初等教育教員養成コース 教授 難波 博孝 先生
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