知らないうちにどんどん進化する無線通信とその未来

知らないうちにどんどん進化する無線通信とその未来

気がつけば使っている無線通信

あっという間に普及したスマートフォンやタブレット端末ですが、身に着けていないと不安に感じる人も多いのではないでしょうか。ところで「3G」「4G」「LTE」などの用語を聞いたことがありますか? これらは通信規格の総称であり、新しい規格の裏にはたくさんの技術革新が起きているのです。2016年現在、「4G」と呼ばれるサービスが実現していますが、数年後には「5G」の時代が到来する見込みです。一体どんなことが起きるのでしょうか?

数年後にやってくる「5G」の時代

「5G」では、現在の1000倍という驚異的な通信容量が実現されます。LTEという規格から「MIMO」と呼ばれる技術が使われています。これは例えば聖徳太子のように複数の情報を一度に伝送することで通信速度を上げる技術で、アンテナ数に比例して速度が向上します。ただ、小さなスマートフォンに搭載できるアンテナの数にも限界があります。そこで、解決策として注目しているのが「同時送受信技術」です。人間で言うとしゃべりながら聞き取ることに相当し、理論上は現在の2倍の通信速度を実現します。また、5Gは通信速度だけではなく、いろいろなモノに使われることも考えられており、あなたの生活をどんどん便利に快適に変えていくと予想されています。きっと数年後にはあなたの生活でも、この技術が使われた機器を使用していることでしょう。

「生体感知」など実用的な応用技術も開発

電波には障害物があっても通り抜けたり回り込んだりする性質があります。この性質を利用し、通信だけでなく「生体感知」を実現するセンシング技術への応用の研究も進んでいます。物陰にいる対象も検出可能であるため、防犯や介護施設の見守りシステム、また農業用途として害獣検知への応用も検討されています。これまでの研究で、ヒトの有無だけではなく、存在位置そして呼吸や心拍の観測にも成功しています。こういった技術も将来は当たり前のようにあなたの生活の一部になっているかもしれません。

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先生情報 / 大学情報

岩手大学 理工学部 システム創成工学科 電気電子通信コース(令和7年度から 理工学部 理工学科 電気電子・情報通信コース所属) 教授 本間 尚樹 先生

岩手大学 理工学部 システム創成工学科 電気電子通信コース(令和7年度から 理工学部 理工学科 電気電子・情報通信コース所属) 教授 本間 尚樹 先生

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電気工学、アンテナ工学

メッセージ

高校生までの年代であれば、「知識をつける」ということはあっても、「知識を使う」ということは少ないと思います。工学の分野で必要になる数学や物理も「勉強するもの」というイメージだと思いますが、大学ではその知識をもとに、知恵をプラスして、何か面白いことにチャレンジすることが増えてきます。
私の研究している無線通信も人類の知恵の結晶です。数学や物理に加えてスマホなどの通信技術に関心がある人は、ぜひ電気電子工学の分野で、モノを作る、動かすなど、いろいろなことにトライしてください。

先生への質問

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