「家族心理学」が、子育てに悩む親の救世主になる!
さまざまな家族の問題に立ち向かう!
現代社会には、児童虐待、不登校や家庭内暴力、少年非行、引きこもりなど、さまざまな家族の問題があります。個々の事例を深く検証しながら家族の健全な発達の理論を研究し、カウンセリングや臨床の現場で問題改善をうながしていくのが「家族心理学」です。心理学的なアプローチで状況を細かくとらえることにより問題の原因がはっきりし、家族の問題に悩む多くの家庭を救えることもあるのです。
なぜ子育てに悩むのか
近年、子育てに悩む親が増加しています。昔なら、3世代同居の家族環境や近所づきあいなどから自然に習得できていた親になるための心構えや知識を、核家族化が進む現代社会では十分に身につけにくいことも背景にあるでしょう。一方で子育てに対する考え方は、自分が子どものときに親からどう育てられてきたかということにも影響を受けます。また、子育てを誰が担っているのか、同時に見なければいけない子どもは何人いるのか、家族以外に助けを求められる人はいるのかなど、さまざまな角度から親子の状態を見ていくと、子育ての悩みの背景が見えてくるのです。
家族をシステムとしてとらえる
家族心理学には、「システムズ・アプローチ」という考え方があります。これは、家族をシステム(組織)としてとらえるアプローチです。例えば、家族の中に何か問題を抱えた人がいた場合、それは個人の問題ではなく、互いに影響しあっている家族全体の関係、さらに言えば家族を取り巻く社会にも原因があるのではないか、と掘り下げて考えていくものです。個人が抱えているように見える問題も、何がどう影響し、どのような結果になっているか、一つひとつ丁寧に見ていくと、複雑なシステムが作用していることに気づきます。その上で問題解決のために、適切な心理療法や援助療法などの介入を行っていくのです。家族心理学は比較的新しい研究分野ですが、これからますます必要とされる学問だと期待されています。
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先生情報 / 大学情報
東京未来大学 こども心理学部 准教授 藤本 昌樹 先生
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