子どもとふれあう、教師という仕事のやりがい
毎日忙しい小学校の教師
小学校の教師は、あわただしい毎日を送っています。教材研究やテストの採点など、勉強に関することばかりではなく、小学校では給食の時間や子ども同士のケンカ、休み時間中のケガなど、さまざまな場面で子どもたちは先生を必要としています。忙しくても、教師の心までなくしてしまってはいけません。教師になりたいと思った時の初心をいつまでも忘れないことです。
なぜ高学年になると手を挙げなくなるの?
例えば、国語の授業で、「このときの<ごんぎつね>はどんな気持ちだったのでしょう?」と、子どもたちに意見を求めます。子どもたち一人ひとりの目の置き所や関心の赴くところは違います。それでも、指導時間は限られているので、個々の意見を聞きながらも、結果としては、指導書に書かれている通りの、「定型模範解答」を教える(覚えさせる)、ということになりかねません。そのため、低学年の教室では、活発に意見を発表する姿がよく見られますが、学年が上がるにつれて、自分の考えを発表する子どもの数が減ってきます。「自分で考える」、という姿勢から、まとめの「模範解答を覚える」、という姿勢に、知らず知らずのうちに変わっていくのです。これからの国語教室では、「自分で考え(思考力を鍛え)」、「一人ひとりの子どもたちの感性を伸ばす(感じる心を育てる)」授業づくりが期待されています。
子どもたちを観察しよう
生活科の授業で野外観察をしたとき、手を泥だらけにして土を掘り、嬉々として虫を見つけたものの、それをうまくまとめられない(絵や文に表すことが苦手な)子どももいれば、野外観察は消極的だが、あとで図鑑の虫の絵を見て上手にまとめてしまう、そんな子どももいます。子どもの様子をよく見ていないと、教師自身が子どもをほめ損なうことになります。子どもたちの、いろいろな思いや行動に寄り添い、ほんの一瞬ですが、子どもたちの人生に伴走できるのも教師の喜びの一つです。
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先生情報 / 大学情報
太成学院大学 人間学部 子ども発達学科 教授 佐々木 豊 先生
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