子どもの「やりたい!」を大切にするモンテッソーリ教育とは?
平成元年、日本の幼児教育が大きく変わった
日本の幼稚園には、幼稚園で行う教育活動の方針を定めた「幼稚園教育要領」が存在します。時代に合った教育内容へと変えるため、これまでに何度か改訂されてきましたが、特に平成元年(1989年)の改訂では大きく転換されました。それまで行われていた「全ての幼児が同じ教育内容に取り組む教師主導型のスタイル」から、「子どもの発達に合わせ、それぞれの自主性を重んじるスタイル」へと大きな変化を遂げたのです。
「モンテッソーリ教育」とは?
現在の幼稚園教育要領には、「モンテッソーリ教育」という教育法のエッセンスが多数取り入れられています。モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師・教育家のマリア・モンテッソーリが20世紀初頭に考案した教育法です。子どもには「自ら育つ力」が備わっていると考え、子どもの主体的な選択や行動を重んじる点に特徴があります。モンテッソーリ教育を実践すると、先生は子どもたちの発達にふさわしい素材や教具などを準備して環境を整え、あとは子どもたちがその時やりたいと思った遊びを存分にやらせてあげるという過ごし方になります。本格的にモンテッソーリ教育に取り組んでいる幼稚園では、学年の垣根を取り払い、3~5歳児が一斉に同じ場所で遊んだり、活動をしたりすることも多いようです。
より良い社会の実現は幼児教育の現場から
モンテッソーリ教育を行うと、子どもたちは自分の好きなことに、好きなだけ取り組むことができるようになります。すると、大人が思いもよらない集中力を発揮したり、好奇心が満たされて心穏やかに育ったり、ほかの子どもたちとの協調性が育ったりしていきます。こうした「人間力」が育まれるのは、マリア・モンテッソーリが世界平和を願い、世界のために行動できる人を育てていこうと考案した教育法であることが影響しています。モンテッソーリ教育の根本的な考え方を知ることで、幼児教育のあり方や捉え方を改めて見つめ直すことができるはずです。
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